演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当院における遺伝性乳癌卵巣癌症候群への取り組み

演題番号 : O8-3

[筆頭演者]
山内 清明:1 
[共同演者]
大瀬戸 久美子:1、吉本 有希子:1、萩原 里香:1、高原 祥子:1

1:北野病院 乳腺外科

 

【背景と目的】日常診療の中で乳がん患者の中から遺伝的素因を有する遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)のリスクのある患者の拾い上げは重要な業務である。当院でも2013年1月より遺伝カウンセリングを開始し、BRCA1/2の遺伝子検査も可能となった。今回は術前と術後に分けて遺伝カウンセリングと遺伝子検査を施行し、示唆に富む症例を経験したので報告する。【対象と方法】原則的に術前、術後症例ともNCCNのガイドラインに則り拾い上げを行っている。術前症例では若年性乳がん症例が中心となるが、BRCA1/2に変異があれば乳房切除術あるいは皮膚温存乳腺全摘術の適応となる可能性をカウンセリングで説明後、希望者に対して迅速遺伝子検査を施行した。術後症例ではガイドラインによりハイリスク患者180名をあらかじめ抽出し、術後フォローのため外来診療に来られた際に遺伝カウンセリングと遺伝子検査の選択肢があることを説明している。【結果】2013年5月までに遺伝カウンセリンを受けられた方は13名で、7名が遺伝子検査を希望された。そのうち3名に遺伝子異常を認めた。(症例1)55才で術前の遺伝子検査でBRCA2に変異を認めたため、術式を部分切除から乳腺全摘に変更した。(症例2)現在39才で8年前に両側乳癌に対し両側皮膚温存乳腺全摘と再建を施行していたが、姉も若年性乳がんで死亡していたため遺伝子検査を行ったところ、BRCA1に変異を認めた。(症例3)現在71才で2年前に乳房温存療法を選択したが、家族歴で長女が30歳で乳がんを罹患していたため遺伝子検査を施行したところ、BRCA2に変異を認めた。(遺伝子検査予定症例)28才の若年性乳癌と76才の男性乳がんと膵臓がん併発症例の患者は乳房切除術後に遺伝子検査を希望されている。【結語】2013年1月より経験したHBOC症例の詳細を報告した。対側乳腺の健診は年2回とし、卵巣は今のところ全員異常はないが、婦人科でのフォローアップを治療計画に盛り込んでいる。HBOCの潜在患者数は想像以上に多いと推測されることから、今後も鋭意拾い上げを継続する。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:遺伝子診断

前へ戻る