演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳癌におけるサブタイプと染色体異常の関連

演題番号 : O8-2

[筆頭演者]
徳永 えり子:1,2 
[共同演者]
山下 奈真:2、武谷 憲二:2、田中 仁寛:2、安藤 幸滋:2、佐伯 浩司:2、沖 英次:2、森田 勝:2、前原 喜彦:2

1:九州大 院 九州連携臨床腫瘍学、2:九州大 院 消化器・総合外科

 

背景:乳癌における染色体異常の頻度や生物学的意義はサブタイプによって異なると考えられる。 対象・方法:浸潤性乳癌363例において、癌抑制遺伝子BRCA1, BRCA2, TP53, RB1, PTEN , INPP4B の遺伝子座のヘテロ接合性の欠失(Loss of heterozygosity ;LOH)を自動シークエンサーによるフラグメント解析で評価した。また、全ゲノムの染色体不安定性をSNP-CGHで評価した。 結果:評価可能症例での癌抑制遺伝子座のLOHの頻度は、BRCA1 113/302 (37.4%), BRCA2 96/282 (34.0%), TP53 159/278 (57.1%), RB1112/267 (41.9%), PTEN 76/295 (25.8%),INPP4B 43/239 (18.0%)だった。LOHの頻度はホルモン受容体(HR)陽性/HER2陰性群で最も低く、HER2 陽性、triple negative (TN)群で高かった。これらの癌抑制遺伝子座にLOHを認める症例では、核グレードが高く、ER陰性、PR陰性が有意に多かった。INPP4B遺伝子座のLOHはTNサブタイプと有意に相関していた。これらの癌抑制遺伝子座のLOHと予後との関連はサブタイプによって異なっていた。特にBRCA1とTP53遺伝子座の両方にLOHを認める症例では、悪性度が高く、染色体不安定性が高度で、予後も不良であった。サブタイプ別では、HR陽性/HER2陰性サブタイプではBRCA1,TP53, INPP4B遺伝子座にLOHを認める症例では有意に予後不良であったが、ほかのサブタイプでは各遺伝子座のLOHの有無と予後に有意な相関は認められなかった。また、TNサブタイプの多くは高度の染色体不安定性を示したが、非常に予後不良であったTN症例の中に染色体異常をほとんど示さないものがあり、claudin lowタイプとの関連が示唆された。結語:乳癌において、主要な癌抑制遺伝子座のLOHの頻度や染色体異常の程度とその生物学的意義はサブタイプによって異なることが示された。癌抑制遺伝子の中でもBRCA1,TP53両遺伝子座のLOHが最も染色体不安定性と関連していると考えられる。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:ゲノム・遺伝子

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