演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当院の異時性両側乳癌の検討

演題番号 : O8-1

[筆頭演者]
柴山 朋子:1 
[共同演者]
岡本 康:1、大原関 利章:2、高橋 啓:2、草地 信也:1、長尾 二郎:1

1:東邦大医療センター大橋病院 外科、2:東邦大医療セ大橋病 病理診断部

 

はじめに:異時性両側乳癌は2011年度の日本乳癌学会のデータベースでは3.2%の頻度で認められている。当院では乳癌の術後治療成績の向上などにより異時性両側乳癌症例が増加している。両側乳癌は家族性乳癌、BRCA1との関連があり、また内分泌治療や分子標的薬などの予防的効果も報告されている。今回我々は当院で経験した両側乳癌につき検討したので、文献的考察を加えて報告する。目的:異時性両側乳癌において治療後に対側乳癌が発生する症例があることにより、当院での症例を検討した。方法:当院にて1993年から2011年までで経験した27例の異時性両側乳癌のうち、ホルモン感受性検査を施行した17例を対象とし年齢、第一癌から第二癌発生までの期間、組織学的所見、ホルモン受容体、後治療の有無につき検討した。HER2/neuについてはTrastuzumabを術後補助化学療法で使用できるようになったのが2008年であったことより、追跡期間が不十分であると考え、今回の検討には加えなかった。結果:年齢は第一癌の診断が39歳から76歳(平均50.6歳)、第二癌の診断が42歳から81歳(平均値56.6歳)であった。第一癌は17例中9例が49歳未満で診断されていた。第一癌から第二癌までの期間は4.4ヶ月から179.9ヶ月(平均値73.0ヶ月)17例中11例が組織型が異なり、一致率は35%であった。また9例(52%)の症例において第一癌と第二癌がホルモン受容体不一致であった。そのうち7例が第一癌ではホルモン受容体陽性であったが、第二癌では陰性であった。逆に第一癌が陰性であったが第二癌が陽性であったのは2例であった。第一癌ホルモン陽性例は12例(70.5%)であり、そのうち11例に術後内分泌治療を施行されていた。うち5例が第二癌もホルモン受容体陽性であった。考察:我々が日常診療で片側乳癌を治療するとき、常に対側の乳癌を念頭において診療する必要がある。EBCTCGアナリシスやATAC試験では内分泌治療による対側乳癌の予防効果があることが知られているが、今回自験例では5例(45%)の症例で内分泌治療をしているにもかかわらず、対側乳癌が発生した。また両側乳癌の危険因子としてはBRCA1/2遺伝子の変異や家族歴なども挙げられ、発がんには多数の因子が関係しホルモン環境単独では対側乳癌を予防できないことが示唆された。また、今回の検討ではBRCA1/2の測定を行っていないが、発症年齢が比較的若いことから遺伝子変異のあった可能性もあると思われた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:疫学・予防

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