演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

悪性リンパ腫へのCHOP療法における悪心・嘔吐に対するaprepitantの有用性

演題番号 : O78-2

[筆頭演者]
高井 美穂子:1 
[共同演者]
岸 慎治:1、山内 高弘:1、吉田 明:1、大岩 加奈:1、大蔵 美幸:1、松田 安史:1、田居 克規:1、上田 孝典:1

1:福井大病 血液・腫瘍内科

 

【背景】Aprepitantはニューロキニン1(NK1)受容体へのサブスタンスP(SP)結合を阻害する制吐薬である。悪性リンパ腫のCHOP (VCR, ADR, CPA, PSL) 療法は、NCCIガイドラインでは高度催吐性リスク群でありNK1受容体拮抗薬併用が推奨されているものの、実臨床では悪心嘔吐は低く判断され、5HT3受容体拮抗薬単独例も多く、同治療法による悪心嘔吐の発現とaprepitantの有用性は明らかではない。【目的】CHOP療法での悪心嘔吐の発現、その患者背景、aprepitantの有用性を前方視的に検討し、血中SP濃度との関連性も検討した。【対象と方法】Performance Statusが2以下でCHOPまたはTHP(THP-ADR)-COP療法が初回投与である悪性リンパ腫患者を対象とした。観察期間は投与開始5日間で、悪心嘔吐の発現をアンケート用紙、および食事摂取量を指標に調査し、初回時に悪心嘔吐を認めた場合は、2コース目にaprepitantを3日間投与し同様に観察を行った。別に化学療法前後に採血を行い、血漿分離後、専用安定化剤を添加し、SP値をELIZA法で測定した。【結果】 15名(男性8名、年齢中央値59才)が登録され、8名は悪心嘔吐は認めなかった。aprepitant投与群は7名で、初回時悪心嘔吐がCTCAEで、G3 1名、G2 4名、G1 1名、食欲不振がG3 1名、G2 6名であった。2コース目では、嘔吐は認めず、悪心、食欲不振も6例で軽快した。aprepitant投与群の患者背景は、6名が女性で、6名に飲酒歴がなく、5名は乗り物酔いがなく、全員が不安を有し、4名につわり歴があった。つわり以外の項目で有意差(p<0.05)を得た。SP値を測定し得た10名については、化学療法の前後、悪心嘔吐の有無でその値に有意差は認めなかった。【考察】CHOP療法における悪心嘔吐の発現率は47%で、aprepitant併用により軽減しており、同薬は有効と考えられた。患者背景因子では、性別、飲酒歴、乗り物酔い、不安の関連が示唆され、背景因子を有する例では初回時からのaprepitantの併用が有効と考えられた。本研究は福井大学附属病院IRBにおいて承認され、全例文書による同意のもとに実施した。

キーワード

臓器別:造血器・リンパ

手法別:支持療法

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