演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

ゾレドロン酸からデノスマブに切り替えた多発性骨髄腫における骨代謝マーカーの検討

演題番号 : O77-2

[筆頭演者]
舘越 鮎美:1 
[共同演者]
佐藤 勉:1、井山 諭:1、小野 薫:1、橋本 亜香利:1、神原 悠輔:1、堀口 拓人:1、高田 弘一:1、林 毅:1、宮西 浩嗣:1、佐藤 康史:1、瀧本 理修:1、小船 雅義:1、加藤 淳二:1

1:札幌医科大学医学部 腫瘍・血液内科

 

【背景】これまで、多発性骨髄腫における骨病変の予防や治療には、ビスホスホネートであるゾレドロン酸が多く用いられてきた。一方で近年、抗RANKL抗体であるデノスマブが上市され、皮下投与可能という簡便さもあり急速に普及しつつある。しかしながら、これまでゾレドロン酸を投与されていた患者に、同剤からデノスマブへの切り替えを行う事がメリットになりうるのかは不明であった。【方法】そこで今回我々は、ゾレドロン酸からデノスマブへの切り替えを行った多発性骨髄腫10例を後方視的に検討した。いずれも4週に1回の投与で、1回投与量はゾレドロン酸が4mg、デノスマブが120mgである。検討項目は、骨吸収マーカーの骨型酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ(TRACP-5b)と血清Ι型コラーゲン架橋N-テロペプチド(sNTx)、骨形成マーカーのオステオカルシン(OC)と骨型アルカリフォスファターゼ(BAP)、および補正Ca値、M蛋白とした。【結果】今回検討した10例の年齢(中央値)は65歳(42-84)、男女比は7:3、ゾレドロン酸の投与回数(中央値)は24回(2-67)、併用化学療法の有無は9:1であった。骨吸収マーカーのTRACP-5bは、切替前の平均値258mU/dLから4週後の105へと顕著に低下し(p=0.0302)、8週後は101、12週後は108と、低値のまま維持された。なお、ゾレドロン酸の前投与が28回の患者においても、切替前326から12週後178への低下が認められた。同じく骨吸収マーカーのsNTxにおいても8週後で有意な低下を認めた(p=0.0442)。一方、骨形成マーカーのOCやBAPでは有意な変化を認めなかった。低Ca血症の副作用については、Ca剤やVit.D製剤を併用しなくても、切替前の補正Ca値9.3mg/dLから4週後の9.0、8週後の9.0、12週後の9.1と、有意な低下は認められなかった。しかしながら、8.0以下を呈する患者が4週間後に2名存在した。M蛋白については、併用化学療法のない1例において切替後に明らかな漸増があり、ゾレドロン酸の再開によって横ばいとなった。【考察】十分なゾレドロン酸前投与を行っていても、切り替えによって骨吸収マーカーは更に低下するため、骨関連事象の低減と高いQOLの維持が期待される。一方、ゾレドロン酸が抗腫瘍効果を発揮していると推測される症例も存在するため、切り替えには注意を要すると思われた。

キーワード

臓器別:造血器・リンパ

手法別:支持療法

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