演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

電子カルテを利用し院内のB型肝炎ウイルス再活性化対策状況を評価する試み

演題番号 : O76-4

[筆頭演者]
井上 直也:1,2,3 
[共同演者]
中島 恵:2、中尾 多見:2、松本 里佳:2、野口 麻希子:4、中村 武史:4、柳原 一広:5

1:関西電力病 外科、2:関西電力病 外来化学療法室、3:関西電力病 情報システム部、4:関西電力病 消化器内科、5:関西電力病 腫瘍内科

 

【はじめに】「免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン」に従い、当院外科においてB型肝炎ウイルス(HBV)再活性化対策を実施していることを報告してきた。しかし病院全体でがん化学療法中の患者にHBV感染状況がスクリーニングされ、必要な症例にHBV-DNA計測が実施されているかを評価することは困難であった。2013年5月に当院は電子カルテシステムを導入し、全患者情報を一括検索できるData Warehouse システムの利用を開始した。これらを用いレジメンオーダーされた患者で適切にHBV再活性化対策がなされているかを評価する試みを行ったので報告する。【対象と方法】Data Warehouse を用いて電子カルテシステムから以下の手順でデータ検索・抽出を実施した。(1) 2013年5月1日から15日までの間にレジメンオーダーが出された患者ID、適応レジメン名、(2) 抽出症例で測定されたHBs抗原、HBs抗体、HBc抗体の結果、(3) 前記(1)(2)の抽出結果をExcel ファイルとして出力し、免疫抑制作用が軽微と考えられるホルモン療法剤、分子標的薬投与例やCrohn病・リウマチ治療例を除外した上で、HBV-DNA測定が必要なHBs抗原陽性またはHBs抗体、HBc抗体の少なくとも一つが陽性の (HBV既感染) 症例を選択、(4) (3)で選択した症例で2013年3月以降にHBV-DNA測定結果があるかどうかを Data Warehouse で確認。【結果】対象症例は95例で、消化器系39例、呼吸器系17例、造血器系14例、乳腺8例、泌尿器系8例、その他9例であった。HBs抗原は全例で計測されていたが、8例でHBs抗体またはHBc抗体の少なくとも一方が未計測であった。三項目全てが計測された87例のうち、2例(2.3%)がHBs抗原陽性で、HBV既感染は25例(28.7%)、すべて陰性だったのは60例(28.7%)であった。HBs抗原陽性またはHBV既感染の27例の中で、2013年3月以降にHBV-DNA計測がされていたのは25例であった。【結語】電子カルテと Data Warehouse を用いてがん化学療法患者における HBV再活性化対策の状況を評価できる仕組みが確認された。この評価結果を化学療法委員会を通じて各科にフィードバックし、対策実施状況の改善を進める予定である。

キーワード

臓器別:その他

手法別:化学療法

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