演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

HBs抗原陽性消化器がんにおける全身化学療法の臨床経過についての検討

演題番号 : O76-3

[筆頭演者]
濱内 諭:1 
[共同演者]
安井 博史:1、小野澤 祐輔:2、福冨 晃:1、山崎 健太郎:1、町田 望:1、戸高 明子:1、横田 智哉:1、對馬 隆浩:1、彦坂 ともみ:1、吉田 幸生:1、伊澤 直樹:1、原口 大:1、木藤 陽介:1、國枝 献治:1

1:静岡県立がんセ 消化器内科、2:静岡県立がんセ 原発不明科

 

【背景】悪性腫瘍患者に全身化学療法を行う際にはB型肝炎対策ガイドラインに沿ってウイルス学的検索を実施し、HBs抗原陽性あるいはHBs抗体/HBc抗体陽性でHBV-DNA陽性の場合は抗ウイルス剤を併用することが推奨されている。特にHBs抗原陽性患者の再燃リスクが高いことが知られているが、消化器がんの再燃リスク因子について検討された報告はない。【目的】全身化学療法を施行されたHBs抗原陽性消化器がん症例におけるB型肝炎再燃のリスク因子を探索する。【対象】2002年9月から2012年8月までにHBs抗原陽性で、当院で補助化学療法例を除く初回化学療法を開始された切除不能再発消化器癌患者76例。【方法】カルテから肝胆道系の器質的異常や細菌感染等が除外できるGrade3(CTCAEv4.0)以上のAST/ALT増加症例をB型肝炎再燃を疑う症例と定義し、患者背景及び治療内容と肝障害の関連を後方視的に検討した。【結果】患者背景は年齢中央値:61歳(35-77)、男/女:59/17、PS 0/1/2:33/35/8、原発部位;食道/胃/大腸/胆膵/その他:17/19/16/21/3、転移部位;肝/リンパ節/腹膜/肺/骨:32/16/15/11/6、HBe抗原;陽性/陰性/未測定:4/25/47、HBV-DNA;陽性/陰性/未測定:19/6/51、治療開始時の抗ウイルス薬服用;有/無:20/56。治療内容は、投与レジメン数; 1/2/3/>3:33/24/12/7、ステロイド使用;有/無:44/32。Grade3以上のAST/ALT増加は76例中5例(6.6%)に認め、5例中4例は1st-line施行中での発症で、4例は前投薬としてステロイド使用があり、抗ウイルス剤を使用していなかった。本研究では前治療の影響を排除するために、1st-lineで発症した4例を解析対象とした。4例に使用されていたレジメンは5FU+CDDP2例、IFL2例であった。Grade3以上のAST/ALT増加のリスク因子として、年齢、PS、性別、化学療法投与期間、投与レジメン(単剤/併用)、ステロイド投与期間、ステロイド投与量、Grade3以上の好中球減少/リンパ球減少を挙げ、各項目でのGrade3以上のAST/ALT増加の有/無に関して単変量解析(Fisher検定)を行ったが、有意な偏りを認めなかった。またロジスティック回帰を用いて多変量解析を実施したが、有意なリスク因子は認められなかった。【結語】全身化学療法を施行されたHBs抗原陽性消化器がん症例におけるB型肝炎再燃のリスク因子として有意なものは認められず、現時点では全身化学療法を行う際は全例にガイドラインに沿った対策が必要と考えられた。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:疫学・予防

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