演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

ヒト胃癌におけるRBX1発現の臨床病理学的意義

演題番号 : O75-6

[筆頭演者]
右田 和寛:1 
[共同演者]
高山 智燮:1、松本 壮平:1、若月 幸平:1、田仲 徹行:1、伊藤 眞廣:1、中島 祥介:1

1:奈良県立医科大学 消化器・総合外科

 

【背景と目的】ユビキチンシステムは蛋白質分解やDNA修復,翻訳調整など様々な生命現象をコントロールしており,近年ではその異常と癌との関連が明らかにされてきている.近年,E3ユビキチンリガーゼ複合体の構成蛋白質であるRBX1の過剰発現が数種類の腫瘍で報告されているが,その発現の意義は不明である.今回,ヒト胃癌におけるRBX1発現の臨床的意義を検討した.【対象と方法】2004年から2007年に当科で根治的胃切除を受けた術前未治療胃癌症例のうちpStage IAを除く145例(男性108例,女性37例,平均年齢67歳)の切除標本を抗RBX1特異抗体で免疫組織染色を行った.染色される癌細胞の割合をそれぞれの標本で算出した.【結果】1.分化型腺癌は低分化型癌に比べRBX1陽性率が有意に高く(60% vs. 43.6%,p<0.001),壁深達度においても,RBX1陽性率に有意差を認めた(pT1 38%,pT2 52.8%,pT3 49.3%,pT4 60.4%,p=0.008).遠隔転移陽性例は陰性例に比べ有意にRBX1陽性率が高かった(67% vs. 50.8%,p=0.016).また,静脈侵襲陽性例は陰性例に比べRBX1陽性率が高かった(58.5% vs. 47.6%,p=0.005).2.生存解析において,RBX1陽性率を48%でRBX1-high群とRBX1-low群に分類したところ,5年生存率はRBX1-high群54.9%,RBX1-low群85.1%とRBX1-high群は有意に予後不良であった(p<0.001)3.多変量生存解析の結果,RBX1-highは独立予後不良因子であった(ハザード比3.409,95%信頼区間1.639-7.09,p<0.001).4.RBX1-high群は術後再発のリスクが高く(オッズ比2.655,95%信頼区間1.419-6.137),特に血行再発のリスクが高かった(オッズ比8.571,95%信頼区間1.083-67.868).5.RBX1陽性率はKi67陽性率と有意な正の相関を示した(r=0.406,p<0.001).【結語】RBX1は癌細胞の増殖能を反映していると考えられ,胃癌の新たなバイオマーカーとなる可能性が示唆された.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:バイオマーカー

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