演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胃癌組織におけるANGPTL2タンパク発現と臨床病理学的因子及び予後に関する検討

演題番号 : O75-5

[筆頭演者]
志村 匡信:1 
[共同演者]
田中 光司:1、三枝 晋:1、北嶋 貴仁:1、近藤 哲:1、井出 正造:1、今岡 裕基:1、奥川 喜永:1、問山 裕二:1、荒木 俊光:1、大井 正貴:1、井上 靖浩:1、内田 恵一:1、毛利 靖彦:1、楠 正人:1

1:三重大学大学院消化管小児外科学

 

【背景】慢性炎症調節因子であり血管新生と関連するAngiopoietin-like protein 2(以下ANGPTL2)は、肺癌では癌細胞の運動能や浸潤能の増強と関与するとされる。今回胃癌組織でのANGPTL2タンパク発現と臨床病理学的因子及び予後について検討した。
【対象と方法】2001年~2011年に当科で切除したStage14胃癌354例を対象とした。切除標本に抗ANGPTL2抗体(R&D Systems、希釈1:200)の免疫組織染色(以下IHC)を行った。胃癌細胞の細胞質におけるANGPTL2の発現強度、発現割合を用いて癌中央部でのANGPTL2発現をスコアリングし(0~12点)、overall survival(以下OS)に対するreceiver operating characteristic analysis(以下ROC)で高値群(以下H群)と低値群(以下L群)に分類した。またStage13293例ではdisease free survival(以下DFS)に対するROCでH群とL群に分類し、それぞれ臨床病理学的因子や予後との関連を検討した。
【結果】ANGPTL2は主に細胞質に発現していた。Stage14354例ではH群(IHCスコア5点以上)は73例、L群は281例であった。生存予後はH群はL群と比べて有意に悪く(P<0.01)、腫瘍径、壁深達度、リンパ管侵襲、脈管侵襲、リンパ節転移、肝転移、遠隔転移、臨床病期では進行例で有意にANGPTL2が高値であった(各P<0.05)。OSに対する単変量解析ではH群は予後因子であったが (リスク比2.48、P<0.01)、多変量解析では予後因子として抽出されなかった。またStage13293例ではH群(5点以上)は54例、L群は239例であった。再発予後はH群はL群と比べて有意に悪く(P<0.01)、腫瘍径、壁深達度、リンパ管侵襲、脈管侵襲、リンパ節転移、臨床病期では進行例で有意にANGPTL2が高値であった(各P<0.05)。DFSに対する多変量解析ではH群は独立した予後因子として抽出された(リスク比2.21、P<0.01)。
【結論】胃癌組織におけるANGPTL2発現は腫瘍進展や遠隔転移と関連し、DFSに関する独立した予後因子として抽出された。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:バイオマーカー

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