演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Trastuzumabはcapecitabineの活性化酵素を誘導し抗腫瘍効果を増大させる

演題番号 : O74-4

[筆頭演者]
原田 卓:1 
[共同演者]
柳沢 美恵子:1、金子 さおり:1、倉澤 光江:1、萬 啓悟:1、山本 要:1、原田 直樹:1

1:中外製薬株式会社 育薬研究部

 

【目的】HER2陽性の進行・再発胃がんに対する第III相臨床試験(ToGA試験)において、抗HER2 ヒト化モノクローナル抗体trastuzumab(Tras)は、化学療法[フッ化ピリミジン系抗がん剤(capecitabine(Cape)または静注5-FU)およびcisplatin(Cis)]と併用することにより化学療法単独に比べて有意に全生存期間を延長した1)。これまでにヒト胃がん細胞株xenograft modelにおいてもTrasはCapeやCape+Cisと併用効果を示すこと2)、胃がんを含む様々なxenograftモデルを用いて、Capeによる抗腫瘍効果とTP発現が相関すること3)を報告した。本試験ではヒト胃がん細胞株モデルにおけるTras+Capeの併用機序解析として、Capeの活性化酵素thymidine phosphorylase(TP)の発現に対するTrasの影響について検討した。
【方法】HER2陽性ヒト胃がん細胞株NCI-N87をBALB-nu/nuマウス皮下に移植し、腫瘍生育後、control群(HuIgG 20 mg/kg、週1回x2回、ip)とTras群(20 mg/kg、週1回x2回、ip)各n=12で無作為化割付した(day 1)。Trasの抗腫瘍効果は、治療開始14日後(day 15)の腫瘍体積及び腫瘍増殖阻害率(TGI)で評価した。Day 15における腫瘍組織中のTPは、抗TP抗体を用いた免疫染色法(IHC法)にて評価した(各n=6)。【結果】腫瘍体積は治療開始時のcontrol群とTras群に有意な差はなく、それぞれの腫瘍体積(平均値±SD)は、229±36 mm3、223±39 mm3であった。治療終了時はそれぞれ614±214 mm3と269±77 mm3となり、Trasは有意な腫瘍増殖抑制効果を示し、TGIは88%であった。またIHC法にて腫瘍内のTPの発現を検討したところ、Tras群は、control群と比較して陽性領域に変化はないものの、染色強度が有意に高かった。
【結論】ヒト胃がん細胞株モデルにおけるTras+Capeの併用機序として、Trasによる腫瘍内のTP発現増加を介したCapeの5-FUへの変換促進が考えられた。
【引用文献】1) Bang YJ et al. Lancet. 376(9742):687-97, 2010. 2) Fujimoto-Ouchi K et al. Cancer Chemother Pharmacol. 59(6):795-805, 2007. 3) Ishikawa T et al. Cancer Res. 58(4):685-90, 1998.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:基礎腫瘍学

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