演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

がん関連線維芽細胞は胃がん細胞のMMPs発現と浸潤性を増す

演題番号 : O74-3

[筆頭演者]
菊池 正二郎:1 
[共同演者]
前山 義博:1、仁和 浩貴:1、瀧井 麻美子:1、海邊 展明:1、山下 英孝:1、大嶋 勉:1、竹村 雅至:1、大津 真:2、笹子 三津留:1

1:兵庫医科大学 上部消化管外科、2:東京大学医科学研究所 幹細胞治療研究センター

 

背景と目的:がん間質相互作用は腫瘍悪性度を増すことが指摘されている。しかし、その機序は複雑であり十分には解明されていない。我々は、胃がん切除組織由来の初代培養がん関連線維芽細胞(CAFs)を蛍光標識胃がん細胞株と共培養して、両者の定量的動態解析を行ってきた。その結果、CAFsは正常線維芽細胞よりも胃がん細胞の運動能(移動距離・速度)を増加させ、方向性を持った細胞移動を起こすことを明らかにした。それでは「CAFsとの共培養が胃がん細胞にどのような遺伝子発現変化をもたらすのだろうか?」、今回の解析では細胞浸潤能に注目して細胞外基質関連分子・接着分子などの発現変化を網羅的に解析した。対象と方法:ヒト胃がん細胞株(MKN45, NUGC4)を蛍光標識して、スキルス胃がん由来CAFsと10日間共培養した。その後に、がん細胞とCAFsをフローサイトメトリーでそれぞれ分離してtotal RNAを精製後、real time RT-PCR法によるアレイ解析を行った。コントロール群はがん細胞のみの単独培養群として、CAFsとの共培養で発現変化を認める分子について検討を行った。結果と考察:MKN45とNUGC4の両者に共通した変化はMMPsの発現亢進であった。特にMMP1,2,3,16の発現亢進が特徴的であったが、がん細胞によってこれらの発現変化には差があった。基底膜の主成分であるtype4 collagen分解酵素としてのMMP2,16の発現亢進は、がん組織におけるがん細胞浸潤性がCAFsとの相互作用で増している可能性を示唆していた。また、MKN45はCAFsとの共培養でCD44発現が劇的に減少しており、細胞接着能の変化も認められた。これらのことから、CAFsとの相互作用は胃がん細胞の組織における浸潤性を増す可能性が示唆された。結論:がん間質反応のひとつとして、CAFsとの相互作用はヒト胃がん細胞におけるMMPs発現亢進や細胞接着能の変化を起こしていた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:基礎腫瘍学

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