演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胃癌血管新生に関わる癌間質相互作用の役割とIL-1αとHGFの関与

演題番号 : O74-1

[筆頭演者]
松尾 洋一:1 
[共同演者]
越智 靖夫:1、安田 顕:1、沢井 博純:1、柴田 孝弥:1、坪井 謙:1、社本 智也:1、森本 守:1、高橋 広城:1、石黒 秀行:1、舟橋 整:1、佐藤 幹則:1、木村 昌弘:1、岡田 祐二:1、竹山 廣光:1

1:名古屋市立大学 消化器外科

 

【目的】我々は今までに,胃癌の転移には腫瘍由来サイトカインIL-1αが重要な働きをしていることを報告してきた(Sato M, et al. Int J Oncol. 1997).また,腫瘍由来IL-1αがautocrineに働きVEGF発現を誘導し,腫瘍血管新生を亢進していることを示してきた(Ma J, Matsuo Y, et al. JSR 2008).Hepatocyte growth factor (HGF)は腫瘍の増殖にかかわるサイトカインといわれているが,癌―間質相互作用からみた胃癌血管新生における役割は十分に解明されていない.胃癌血管新生におけるサイトカインIL-1αおよびHGFの役割の解明を目的とした.【方法】胃癌細胞株を高血管新生株(MKN-74)と低血管新生株(MKN-45)に分類し以下の実験に用いた.(1)RT-PCRおよびELISAで,胃癌細胞株および線維芽細胞におけるIL-1αおよびHGFの発現を確認した.(2)recombinantおよび胃癌由来IL-1αによる,線維芽細胞のHGF分泌能の変化を同様にELISAで検討した.(3)HGFが血管内皮細胞の増殖および浸潤能に及ぼす影響をMTS-assayおよびinvasion assayで検討した.(4)同様にMKN-74の培養上澄で処理をした線維芽細胞の培養上澄が,血管内皮細胞の増殖および浸潤能に及ぼす影響を検討し,HGF Ab(中和抗体)を用いてHGFの関与を検討した.(5)胃癌細胞,繊維芽細胞および血管内皮細胞を共培養するin vitro angiogenesis assayで,胃癌―間質相互作用がHGFを介して腫瘍血管新生に及ぼす影響を検討した.【結果】(1)MKN-74のみにIL-1αが,繊維芽細胞のみにHGFが発現していた.(2)recombinantおよび胃癌由来IL-1αは線維芽細胞のHGF分泌を有意に亢進した.(3)HGFは血管内皮細胞の増殖および浸潤能を有意に亢進した.(4)MKN-74処理をした線維芽細胞の調整培地は有意に血管内皮細胞の増殖および浸潤能を亢進し,これはHGF Abで抑制された.(5)MKN-74は線維芽細胞との共培養で血管内皮細胞の管腔形成能を亢進し,これはHGF Abで抑制された.【結語】IL-1αやHGFを介した癌―間質相互作用によって胃癌血管新生は制御されており,これらは抗血管新生としてのターゲットとなりうると考えられた.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:基礎腫瘍学

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