演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胃癌の粘液形質発現と化学療法

演題番号 : O73-6

[筆頭演者]
柴田 知行:1 
[共同演者]
田原 智満:1、米村 穣:1、市川 裕一朗:1、石塚 隆充:1、大久保 正明:1、平田 一郎:1

1:藤田保健衛生大学 消化管内科

 

【背景・目的】これまで胃癌はLaurenの分類に基づき、intestinal typeとdiffuse typeに大別されてきた。近年、胃粘液層(ムチン)に対する免疫組織化学技術による胃癌の新たな分類基準が提唱されている。これにより胃癌は胃型と腸型の2タイプに分類され、これらの表現型が予後と関連するとの報告も見られる。本研究では、胃癌患者に於けるムチン表現型について検討し、胃癌化学療法患者の生存率について分析した。【方法】胃癌のムチン表現型は、免疫組織化学法により決定された。粘液抗体として、抗MUC2、MUC5AC、MUC6およびCD10抗体を使用した。検体中10%以上陽性である場合、同抗体の表現型ありとした。それぞれのムチン抗体の発現パターンを基に、胃型、腸型、混合型、非発現型に分類した。胃癌患者は全員、化学療法を受けており、それぞれの群につき平均生存期間(MST)を算出した。各群の生存曲線は、Kaplan-Meyer法により示された。統計的解析はログランク検定により行った。【結果】胃型はMUC5ACとMUC6陽性のもので12人の患者が同表現型であった。腸型はMUC2またはCD10陽性のもので6人の患者が同表現型であった。混合型は、これらのムチンがいずれも陽性のもので15人が該当した。未発現型は8人であった。Kaplan-Meyer法で胃型と腸型を比較した場合、腸型の患者は胃型に比し予後不良(胃型対腸型のMST、1033 vs.191日、ログランク検定:P = 0.0062)を示した。混合型の生存曲線は、両群の中間(MST:425日)を示した。【結論】ムチン発現パターンによる胃癌分類は、化学療法前の胃癌の予後予測因子となる可能性があると考えられた。これらのムチン表現型と胃癌の生存率の関連機序に対し更なる研究が必要と考えられた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

前へ戻る