演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当院で施行したリスク低減両側卵巣卵管切除術(RRSO)6例の報告

演題番号 : O72-2

[筆頭演者]
谷口 智子:1 
[共同演者]
新井 正美:2、阿部 彰子:1、宇佐美 知香:1、山本 阿紀子:1、岡本 三四郎:1、尾松 公平:1、加藤 一嘉:1、竹島 信宏:1

1:がん研究会有明病院 婦人科、2:がん研究会有明病院 遺伝診療科

 

【諸言】家族性乳がん卵巣がん(HBOC)に対する認識はここ数年徐々に高まっている。リスク低減外科両側卵巣卵管切除術(RRSO)は,日本では保険適用ではないことや閉経前の女性の生殖器あるいは乳房を切除するという不利益もあり実施されていなかった。しかし,RRSO は卵巣癌および乳癌の発生率を減少させ,総死亡率を低下させるという報告もみられ,その予防的意義が確立しつつある。【方法】当院ではRRSOを臨床試験として実施することとして施設内倫理委員会(IRB)で承認された。今回設で卵巣癌のリスク減少のためにRRSOを施行した6例に関して、文献的考察を加えて報告する。【成績】平均年齢は46.3歳(45-50)、閉経後の症例は1例、BRCA1変異5例、BRCA2変異1例で、5例に乳癌の既往を認めた。全例で、腹式子宮全摘術および両側付属器切除術を行い、平均在院日数は10.7日であった。平均手術時間は2時間2分、出血量は54.1mlであった。全例で腹水細胞診は陰性で卵巣卵管に病理学的悪性所見を認めなかった。1例で子宮内膜異型増殖症を認めた。周術期合併症として1例で創部表層の感染症を認めた他は特に合併症を認めなかった。2例で軽度の更年期症状の訴えがある。【考案】NCCNガイドラインではRRSO時に腹腔洗浄を実施し、標本評価は米国病理学会が公表したプロトコルを参考に卵巣および卵管の薄切切片を含めるべきであるとされる。また悪性腫瘍の予防としては子宮摘出の意義はないとされる。しかし、術後に乳癌や卵巣欠落症状に対するホルモン療法などの可能性を考えると、子宮全摘を併せて行っておいた方が良いとの考えもある。当院では患者自身の選択により全例で子宮摘出を行った。報告ではRRSOにより2.3-17% で顕微鏡的オカルト癌が発見されている。当院では薄切切片を含めた詳細な病理検索を行っているが、顕微鏡的オカルト癌の診断を受けた症例はない。BRCA1/2保持者の卵巣がん診断時の平均年齢 50.8歳とされ、NCCNのガイドラインでは、BRCA1/2変異保有女性では、理想的には35-40歳の出産終了時または家系で最も早い卵巣がん診断年齢に基づく個別の年齢で施行するとされている。当院の症例は平均年齢46.3歳と時期が遅い傾向にあり、今後症例の蓄積とともに時期に関しての検討も必要となる。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:疫学・予防

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