演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳癌におけるGlycoprotein Nonmetastatic B(GPNMB)のリンパ節転移への関与

演題番号 : O7-4

[筆頭演者]
兼松 昌子:1 
[共同演者]
二村 学:2、名和 正人:1、森光 華澄:2、森川 あけみ:2、吉田 和弘:1

1:岐阜大院腫瘍外科 、2:岐阜大院 乳腺・分子腫瘍学

 

【背景】GPNMBは細胞膜に存在するI型膜貫通タンパクで,骨や造血器,皮膚など正常組織に広く発現することが知られているほか,悪性黒色腫・肝細胞癌・神経膠腫など悪性腫瘍で高発現することが確認されている.基礎的研究では動物モデルでGPNMBは乳癌の転移・浸潤を促進することが報告されている.Rossらは,乳癌においてGPNMBはTriple negative(TN)で高発現し,早期再発や生存率低下と関連していることから独立した予後不良因子と報告している。【目的】GPNMBの乳癌の転移における役割について臨床検体を用いて検討した.【対象】2005年4月~2009年3月の期間中,岐阜大学腫瘍外科にて治療したリンパ節転移陽性乳癌56例(Luminal A : 30例, Luminal B : 13例, HER2 : 6例, Triple Negative : 7例)について検討した.【方法】原発性乳癌の摘出標本パラフィン包埋ブロックの原発巣および腋窩リンパ節転移巣を,免疫組織化学 (LSAB2 System-HRP :Dako)を用いてGPNMBの発現を確認し,(1)陽性率,(2)臨床病理学的特徴,(3)原発巣とリンパ節転移巣の差異について検討した.(4)同一検体で幹細胞マーカーとされているALDH1とEMT(Epithelial-Mesencymal Transition)マーカーのVimentinについて同様に免疫組織化学を行い,GPNMBの発現と比較した.
【結果】(1)GPNMBは乳癌原発巣で56.4%,腋窩リンパ節転移巣で47.1%の陽性率であった.(2)subtype別では,腋窩リンパ節転移巣の陽性率はTNで71.4%,HER2で60.0%,Luminal Bで50.0%,Luminal Aで37.9%と、TN,HER2で高い傾向がみられた.(4)GPNMB陽性の原発巣31例中,ALDH1陽性は3例(9.7%),Vimentin陽性は3例(9.7%)であり,リンパ節転移巣25例中ではそれぞれ3例(12%),7例(28%)と,GPNMB陽性であってもALDH1/Vimentin陽性率は低く,GPNMBとALDH1/Vimentinの発現は関係しないと考えられた.(3)原発巣に比べて腋窩リンパ節転移巣でGPNMB発現が維持ないしは増強する症例が58.9%であった.
【結語】乳癌症例においてリンパ節転移におけるGPNMBの関与が示唆された.

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:基礎腫瘍学

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