演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行再発乳癌に対するベバシズマブの効果ならびに副作用予測因子に関する探索的研究

演題番号 : O7-2

[筆頭演者]
阪口 晃一:1 
[共同演者]
中務 克彦:1、藤田 佳史:1、田口 哲也:1

1:京都府立医科大学大学院 内分泌乳腺外科学

 

【目的】Vascular endothelial growth factor (VEGF)は重要な血管新生因子の1つであり、多くの固形がんではVEGFの発現量が高いことも報告されている。腫瘍増殖の過程でさまざまな増殖因子やサイトカイン類が関与しているが、VEGFは腫瘍が非常に小さい時期から、大きくなる時期まで広く腫瘍血管の新生に関与していることが分っており、このことからVEGFが腫瘍血管阻害剤として非常に有望なターゲットであることが考えられている。大腸癌や肺癌領域においてBevacizumab(BEV)治療効果予測に関する有望なバイオマーカーはいまだ見つかっていないが、血管新生にはVEGF以外の因子も関わっていることから他因子との関連で評価する必要があるものと考える。進行再発大腸がんでは治療前、治療中ならびに増悪後と経時的に採血を行い、増悪時においてbasic fibroblast growth factor (bFGF)、plated-derived growth factor (PDGF)およびplacental growth factor (PlGF)などの発現量が亢進することがすでに報告されている。また、VEGFは血圧の維持にも関与していることから、BEVを用いた治療ではしばしば高血圧の副作用が報告される。高血圧と治療効果に相関があるという報告があるものの、現在までに明確な結論には至っていない。更に、従来VEGFは予後不良因子と考えられてきたことを考慮すると、網羅的に評価出来る適切なデザインでBEVのバイオマーカー解析を行うことは極めて重要であると考える。そこで乳がん治療における個別化医療を目指して、BEVの効果予測や副作用予測に繋がる因子について探索的に検討することを目的とした。【方法】本研究に関する文書による説明を行い、同意が得られた患者より採血を行う。遠心分離後に血漿サンプルを回収し、血漿中VEGF-A , VEGF-B, VEGF-C, VEGF-D, bFGF, PlGF, PDGFalpha, HGF, IL-8, apelin, angiopoetin-1, angiopoetin-2, angiostatin, Bv8, sVEGFR1, sVGFR2, ICAM-1, SDF-1alphaについて、市販の測定キットを用いて測定を行う。更に、血漿中VEGFの量と原発巣のVEGF発現量との間に相関関係を見るため、手術時に摘出したサンプルを癌部と非癌部に分け速やかに保存し、各マーカーのタンパク量ならびにmRNA量を定量する。治療効果、副作用ならびに患者背景に対するこれらマーカー発現量の解析を行い、これら測定項目の評価を実施する。【進行状況】院内倫理委員会の承認を受け、目標症例数200例で現在進行中である。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:トランスレーショナルリサーチ

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