演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

早期胃癌に対するセンチネルリンパ節誘導手術の有用性を検証する臨床試験

演題番号 : O68-2

[筆頭演者]
木南 伸一:1 
[共同演者]
大西 敏雄:1、藤田 純:1、森岡 絵美:1、甲斐田 大資:1、大野 由夏子:1、富田 泰斗:1、野口 美樹:1、舟木 洋:1、上田 順彦:1、中野 泰治:1、小坂 健夫:1

1:金沢医科大学 一般・消化器外科

 

【背景】胃癌センチネルリンパ節(SN)生検は、ICG蛍光を検出可能な腹腔鏡の市販に伴い再評価されつつあるが、その臨床的意義は十分には検証されていない。教室でSN生検誘導胃癌縮小手術の臨床試験を企画し開始した。【試験課題名】早期胃癌に対するセンチネルリンパ節誘導手術の安全性と有用性の検証(略称:早期胃癌SNNS試験 UMIN ID:10154)【目的】「胃癌SN生検を指標に機能温存根治手術を適用する」という治療方針の有用性と問題点を明らかとする。【対象】PS 0-1で重篤な合併症のないESD適応外症例のうち、4cm以下のT1もしくは0型T2胃癌、かつ術前CTでリンパ節転移が認められないもの。【試験デザイン】前向き非無作為臨床第II層試験。【試験群と治療内容】ICGは50μg/ml(100倍希釈)に調整し、手術前日に内視鏡を用いて腫瘍周囲4箇所の粘膜下層に局注する。ICG蛍光の検出にはPDE (浜松ホトニクス社製)を用いる。PDE観察で強く蛍光を発するリンパ節をBrN、その存在するリンパ流域をlymphatic basinと定義する。Lymphatic basinを郭清し、BrNを術中病理に提出する。開腹・腹腔鏡の別は問わない。転移陽性と診断された場合にはガイドライン胃切除(D1+もしくはD2を併施する、幽門側胃切除・幽門保存胃切除・胃全摘術・噴門側胃切除)を、転移陰性と診断された場合には、郭清範囲をlymphatic basinに留め胃切除範囲も小範囲に留める機能温存根治手術(胃局所切除・胃分節切除・小範囲幽門側胃切除術・噴門部分切除)を適用する。本試験開始前に当院で施行された、SN生検を併施したガイドライン準拠手術42例をhistorical controlとして設定する。【評価項目】主要評価項目はJCOG Clavien-Dindo分類 grade II以上の術後合併症発生割合である。control群の合併症割合は23%で、試験群の非劣性を証明する。副次的評価項目として、胃切除後後遺症の発生割合をPGSASを用いて比較する。さらに、長期経過予後(disease free survival, 異時性多発胃癌発生割合)・各手術術式の施行比率も併せて検討する。【目標症例数】90例。【断案】本年3月より臨床試験を開始した。主要評価項目を術後合併症発生割合の非劣性の検証としたので、単施設でも可能な試験を組み得た。非劣性が証明されれば、SN生検を指標とした胃癌縮小手術を行っても患者不利益は生じないことになる。PGSAS scoreの改善まで得られるならば、胃癌SNNSの有用性も客観的に証明されるであろう。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:手術療法

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