演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

局所進行下部直腸癌に対する術前化学放射線療法の短期成績

演題番号 : O65-4

[筆頭演者]
神原 健:1 
[共同演者]
佐藤 直広:1、大亀 剛:1、大多和 泰幸:1、藤本 善三:1、鷲尾 一浩:1、和久 和彦:1、劔持 雅一:1、水田 昭文:2、園部 宏:3

1:公立学校共済組合 中国中央病院 外科、2:公立学校共済組合 中国中央病院 放射線科、3:公立学校共済組合 中国中央病院 病理部

 

目的: 進行下部直腸癌に対する術前化学放射線療法(NACRT)は骨盤内局所再発制御に有用であり、切除率の向上、生存率の改善にも寄与することが示唆されている。今回、我々はNACRTを施行した局所進行下部直腸癌の治療成績と有害事象について検討した。対象・方法: 腫瘍下縁がRbにかかるT3/T4直腸癌を対象に、2011年4月から2013年2月まで低線量長期照射法のNACRTを10例に施行した。放射線療法は小骨盤腔に前後左右4門照射で行い、総線量を45Gy~50.8Gyとし、1回線量1.8Gyを25回〜28回に分割し行った。併用化学療法はTS-1 (80mg/m2)もしくはUFT (300mg/m2)/LV (75mg/body)とし、照射日のみ内服した。NACRTの4~7週後に手術を施行した。結果: 平均年齢は60.6(43-75)才、男/女:7/3例。術前生検での組織型はtub1/tub2: 8/2例。腫瘍占拠部位はRbRa/Rb/RbP/PRb: 4/2/3/1例。10例(cStage II/IIIA/IIIB: 5/2/3例)の術式は、LAR+covering ileostomy(腹腔鏡) 4例、APR(腹腔鏡) 4例、Hartmann手術+膣後壁合併切除(開腹)1例、TPE(開腹)1例で、術前CTで側方リンパ節の有意な腫脹を認めない症例では、予防的側方郭清(PLND)を省略した。全例で内視鏡画像上、周堤隆起の消失あるいは平坦化、潰瘍病変の瘢痕化などの腫瘍縮小効果が得られ、組織学的効果判定は、Grade 1a/1b/2/3がそれぞれ1/1/5/3例だった。最終病期は、ypStage 0/I/II/IIIA/IIIB: 3/1/2/3/1例で、6例(60%)でdownstageが認められ、治療中の遠隔転移の出現は認めず、全例でR0手術が可能だった。有害事象は、G2の非血液毒性として下痢/肛門部痛/皮膚炎/嘔気/食欲不振/倦怠感がそれぞれ2/3/1/1/1/2例に認められ、血液毒性は白血球減少(G2:3例)、血小板減少(G2/G3:1/1例)を認めた。G3の血小板減少を認めた1例で化学療法のみ中止したが、放射線療法は全例完遂しえた。術後合併症は会陰創感染を3例、縫合不全を1例、腸閉塞を2例に認めたが保存的に軽快した。現在、観察期間中央値は7.4 (1.4-22.3)ヶ月と短いものの局所再発は1例も認めていない。LAR術後にストマ閉鎖した3例での排便回数は術後3ヶ月の段階で5~9回/日だった。結語: NACRTは局所進行下部直腸癌に対して外来で安全に施行可能で、高い局所制御による治癒切除率の向上、局所再発率の抑制が期待される有用な治療法と考えられた。排便機能を含めた長期予後、PLNDの省略に関しては今後の更なる症例の蓄積と検討が必要である。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:集学的治療

前へ戻る