演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

術前リンパ節転移陽性大腸癌に対するTS-1/L-OHP併用術前化学療法の検討(NCCSG-06)

演題番号 : O65-3

[筆頭演者]
野上 仁:1 
[共同演者]
瀧井 康公:2、谷 達夫:3、長谷川 潤:3、山崎 俊幸:4、飯合 恒夫:5、赤澤 宏平:6、若井 俊文:1

1:新潟大院 消化器・一般外科学分野、2:新潟県立がんセ新潟病 消化器外科、3:長岡赤十字病 外科、4:新潟市民病 消化器外科、5:白根健生病院、6:新潟大学医歯学総合病 医療情報部

 

【背景】新潟県立がんセンターのレトロスペクティブな調査から、術前リンパ節転移陽性の切除可能大腸癌症例の予後は、術後にリンパ節転移陽性と診断された症例の予後より不良であることが報告されている。そこで我々は、術前診断において他臓器転移のないリンパ節転移陽性大腸癌症例の切除後生存率の改善を期待し、TS-1/L-OHP併用による術前化学療法を評価する多施設共同第II 相臨床試験を計画した。現在登録中であるが、21例における途中経過を報告する。【方法】本試験は多施設共同の第II 相臨床試験であった。適格な患者は、術前診断においてリンパ節転移陽性、他臓器転移陰性、前治療(化学療法・放射線療法)のない症例、年齢が20歳以上80歳未満、ECOG performance statusが0~1などであった。術前化学療法としては、L-OHP 130 mg/ m2を第1日目に投与し、TS-1を体表面積に従って40-60 mgを1日2回2週間服用し、これを3週間毎に3コース繰り返した。術前化学療法終了後4週間以内に手術を行った。主要評価項目は最大奏効度とし、副次評価項目は無再発生存期間、全生存期間、手術施行率、安全性、根治切除率、組織学的効果判定とした。【結果】2010年2月から2013年3月までに24例が登録され、そのうち21例で解析を行った。奏効率(最大奏効度)は33.3%(95%CI, 13.2-53.5%)でPR 7例、SD 14例であった。組織学的効果はGrade 2が2例、1bが5例に認められた。術前化学療法におけるGrade 3以上の主な有害事象は血小板減少 14.3%、食欲不振 14.3%、末梢神経障害 4.8%などであった。手術施行率は95.2% (21例中20例)であり、手術を施行しなかった1例は治癒切除困難と判断された症例であった。術前化学療法の有害事象による手術の延期はなかった。根治切除率は95.0%(20例中19例)であった。術後合併症発現率は65.0%(20例中13例)であり、縫合不全 5例、腸閉塞 3例、創感染2例などであった。治療関連死、手術関連死はなかった。縫合不全が25%に認められたが、全例保存的治療にて改善した。全症例における3年生存率は84.6%、根治切除症例における3年無再発生存率は64.5%であった。【結語】術前リンパ節転移陽性大腸癌例に対する術前化学療法としてのTS-1/L-OHP併用療法は、効果と安全性の両面で有用である可能性が示唆され、有害事象による手術の延期、増悪による中止はないため、術前化学療法の選択肢の一つとなり得ることが示された。今後の結果が期待される。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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