演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行下部直腸癌に対する術前化学放射線療法の治療評価と再発危険因子

演題番号 : O64-5

[筆頭演者]
中村 隆俊:1 
[共同演者]
佐藤 武郎:1、三浦 啓寿:1、筒井 敦子:1、内藤 正規:1、山梨 高広:1、小倉 直人:1、渡邊 昌彦:1

1:北里大学 医学部

 

【背景】術前化学放射線療法(NCRT)の目的は,局所進行直腸癌に対して腫瘍縮小による肛門温存率の上昇,局所再発率の低下,生存率の向上である.病理学的完全奏功率(pCR)が長期予後の改善を示唆する報告が散見されてきたものの,pCR率の向上が長期的な予後の向上もたらすという明確なエビデンスには至ってはいない.【目的】当施設で施行している局所進行直腸癌に対して,術前にS-1/CPT-11を用いた放射線療法した後に,直腸間膜切除術(TME)施行した症例について,治療効果と再発危険因子を明らかにする.【対象と方法】2005年から2010年までにNCRT後にTMEを施行したcT3/4症例 115例を対象とした.男性77例(67%),女性38例(33%),年齢62歳(32-82).NCRTのレジメンとしては,S-1/CPT-11(S-1 80mg/m2,CPT-11 80mg/m2)を用い,放射線照射は直腸周囲1cmに計45Gyを行った.そして,本治療後の約10週間以内にTMEを施行した.【結果】観察期間の中央値は60ヶ月( 20-96). 本治療の完遂率は82%(94/115)であり,Grade3以上の有害事象は6%(7/115)であった(白血球減少6例,下痢1例).pCR率は24%(28/115)であった.組織学的治療効果判定は,Grade0 4例(3%),1 41例(36%),2 38例(33%),3 32例(28%)であった.術後再発は23例(20%)に認めた.肺転移13例,肝転移,大動脈周囲リンパ節転移,局所再発(吻合部2例,骨盤内1例)はそれぞれ3例に認め,腹膜播種を1例であった.pCR症例での術後再発は1例に肺転移を認めた.長期予後は,Local recurrence free survival(LRFS) 93%,Disease free survival(DFS)79%,Overall Survival(OS) 80%であった.再発危険因子は,側方リンパ節転移陽性(p<0.0001),Grade0,1(P<0.0001),yPCR以外(p=0.0258),ly(p=0.0003),v(p=0.0010)の5因子であった.さらに,多変量解析を行うと側方リンパ節転移陽性(p=0.006),Grade0,1(p=0.016),ly(p=0.0469)の3因子が独立した危険因子であった.【考察】われわれの施行しているNCRTは,重篤な有害事象は少なく安全に行うことができた.また,pCR率は24%であった.再発危険因子は,側方リンパ節転移陽性Grade0,1,lyの3因子が独立した危険因子であった.今後は,さらに症例を積み重ねることで本治療の妥当性を検討していくことが重要である.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:QOL

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