演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行下部直腸癌(T4,側方陽性)に対する術前化学放射線療法(SOX-RT)の多施設第I相試験

演題番号 : O64-1

[筆頭演者]
大植 雅之:1 
[共同演者]
濱口 哲弥:2、伊藤 芳紀:3、坂井 大介:4、能浦 真吾:1、絹笠 祐介:5、藤田 伸:6、島田 安博:2、齋藤 典男:7、森谷 宜皓:8

1:大阪府立成人病セ 消化器外科、2:国立がん研究セ 中央病院消化管内科、3:国立がん研究セ 中央病放射線治療科、4:大阪大院消化器癌先進化学療法開発学、5:静岡県立静岡がんセ 大腸外科、6:栃木県立がんセ 消化器外科、7:国立がん研究セ 東病院大腸外科、8:日本赤十字社医療セ 大腸外科

 

【はじめに】欧米では局所進行下部直腸癌に対してTME+術前化学放射線療法(以下,CRT)が標準治療であるが、わが国ではTME+側方郭清が標準である。今回、CRTのエビデンスに乏しいわが国において多施設共同試験を行った。【目的】現在わが国ではJCOG0212試験で比較的 low risk な下部直腸癌に対する予防的側方郭清の意義が検討されている。本試験の対象は、再発 high risk 群である術前診断T4あるいは短径10mm以上の側方リンパ節転移を有する下部直腸癌。Primary endpoint:L-OHPの用量制限毒性(DLT)と推奨用量(RD)。Secondary endpoints : 有害事象、腫瘍縮小効果、病理組織学的効果、手術に関連した有害事象発生頻度。【治療】SOX-RTのレジメンは、S-1 80 mg/m2/day 、1日2回内服、day1-5, 8-12, 15-19, 22-26, 29-33; L-OHP 40-60 mg/m2 点滴静注, day 1, 8, 15, 22, 29; RT 1回1.8Gy、1日1回、週5日、および追加照射3回、計28回、総線量50.4Gy。CRT後に再評価を行い、6週以降8週以内に手術を行った。MEと側方郭清に加えて、T4症例では必要に応じて他臓器を合併切除した。【結果】11例中T4 8例、側方陽性 6例で、T4側方陽性3例。レベル1の6例中2例にDLT(Grade3のAST,ALT上昇とGrade4の低K血症)を認めたが、レベル2の5例ではDLTを認めず。また術中および術後入院中も特に問題となる有害事象はなく、L-OHP 60mg/m2がRDと決定された。総投与量/予定投与量は、level 1ではS-1 93.2%、oxaliplatin 99.3%、level 2ではS-1 100%、oxaliplatin 99.3%であり、放射線はいずれも100%施行可能であった。CRT終了後の再評価で遠隔転移が認められたT4側方陽性の1例を除く10例(APR 4例、LAR 6例)にR0手術が可能であった。組織学的にはpCR(G3)は1例(10%)で、G2 4例、G1 5例。T down staging率は80%でT4 8例中3例に他臓器合併切除を要した。N down staging率は43%で側方陽性5例中4例に側方転移が残存していた。術中に輸血を要した症例は2例のみであり、術後在院日数は18.5日(11-28)であった。【まとめ】下部直腸癌に対する多施設臨床第I相試験(SOX-RT)は安全に施行可能であり、S-1 80 mg/m2/day、L-OHP 60mg/m2、RT総線量50.4Gyが RDと決定された。【endpoints以外の解析】手術後約1年の観察期間では、骨盤内再発はなく局所制御は良好であったが、側方陽性6例中4例に遠隔転移を来たしさらなる遠隔制御の必要性が示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:集学的治療

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