演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

会陰Paget病に対する会陰皮膚・肛門管上皮一括切除術と肛門括約筋被覆植皮術

演題番号 : O63-6

[筆頭演者]
秦 史壯:1 
[共同演者]
矢嶋 智己:1、西森 英史:1、池田 慎一郎:1、平間 知美:1、山田 真美:1、岡田 邦明:1、古畑 智久:2、鶴間 哲弘:3、江副 京理:4

1:札幌道都病院 外科、2:札幌医科大学第一外科、3:JR札幌病院 外科、4:札幌道都病院 形成外科

 

<はじめに>会陰Paget病では肛門管内進展の評価は重要であり,進展度診断を術前punch biopsyで行っている.肛門管内にPaget細胞進展が疑われれば,肛門管上皮,粘膜の切除は必須である.本症の肛門管内上皮切除は若干の工夫を要し特に以下の3点が重要と考える.1) 肛門管上皮,場合によっては直腸粘膜を含め全周性に完全切除.2) 特に切除断端の病理組織的検索を正確に行えるように病巣を切除.3) 術後肛門狭窄を最小限にする工夫(肛門括約筋を被覆する植皮).この3点に留意して術式に工夫を加え3例に会陰皮膚・肛門管上皮一括切除術を行った.そのうち,1例は9年間の長期経過観察し良好な結果を得ているので報告する.<対象>会陰に発生したPaget病で会陰皮膚・肛門管上皮の一括切除術を行った3例.一時的人工肛門造設術は3例全例に行った.<術式>肛門周囲皮膚と肛門管上皮を一括に切除する.本法は肛門周皮膚から剥離を始め連続的に肛門管上皮を内括約筋から切離していく.こうすることによって,剥離された肛門周囲皮膚と肛門管上皮・粘膜は円筒状に一体となり,肛門管内腔からの確実な観察により,適切な切除lineを決定し肛門管上皮・粘膜筒を切除することができる.肛門管内植皮術(肛門括約筋被覆植皮術)は,まず,肛門周囲には通常の分層植皮を行う.続いて,皮膚分層移植片を50 mlシリンジに巻きつけて肛門管内に挿入し固定を行う.シリンジの固定は7-10日間行う.<結果と考察>肛門管内植皮は全例生着した.術後14日目から肛門ブジーを3-4ヶ月間行うが,退院後はブジー用器具を貸出し患者自身でブジーを行う.露出された内・外肛門括約筋は植皮によって被覆されるため,問題となる肛門狭窄は発症しなかった.9年間経過観察中の症例も肛門狭窄,再発は認めず経過は良好である.本術式は肛門管上皮(直腸粘膜も含め)が肛門周囲皮膚から連続的に肛門括約筋から剥離されるので,出血も少なく視野も良い.直視下に上皮・粘膜をリング状の内括約筋から剥離できるため剥離上皮・粘膜の厚さも視診と触診の両方で確認できる.肛門管上皮・粘膜筒は十分に肛門外へ引き出され,口側の切除は直視下に正確に行える.また,一続きの標本は病理組織的検索(特に断端)も正確に行われると考える.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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