演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌合併潰瘍性大腸炎に対する外科治療成績

演題番号 : O63-5

[筆頭演者]
荒木 俊光:1 
[共同演者]
井上 靖浩:1、大北 喜基:1、藤川 裕之:1、川本 文:1、川村 幹雄:1、三枝 晋:1、廣 純一郎:1、問山 裕二:1、小林 美奈子:2、大井 正貴:2、田中 光司:1、内田 恵一:1、毛利 靖彦:1、楠 正人:1,2

1:三重大学大学院 消化管・小児外科学、2:三重大学大学院 先端的外科技術開発学

 

【背景】潰瘍性大腸炎に合併する大腸癌の発生数は増加傾向を示しており、その早期発見と治療の重要性が高まりつつある。手術においては根治性とともに機能温存も要求され、治療方針決定には慎重な判断が求められている。【目的】これまでに当教室で経験した大腸癌およびdysplasiaを合併した潰瘍性大腸炎の手術成績を症例シリーズとして報告し、今後の課題について検討することを目的とした。【方法】1995年1月から2012年9月までに手術を施行した潰瘍性大腸炎270例中、大腸癌およびdysplasiaを合併した16例を対象とした。【結果】男性11例、女性5例、手術時年齢は28~71歳(平均47.4歳)、潰瘍性大腸炎罹患期間は0.5~30年(平均13.7年)、罹患部位は全大腸炎型;12例、左側大腸炎型;4例であった。癌/dysplasia発見の契機は、サーベイランス内視鏡;7例、腸閉塞;2例、偶発的;7例であった。16例中10例はcolitic cancer、6例はsporadic cancerと考えられた。5例が同時性多発癌で、癌占拠部位はRaおよびRb;5例、S;4例、TおよびRs;3例、C;2例などであった。肉眼形態では0型;9例、2型;4例5型;2例、1型および3型がそれぞれ1例であった。術前の生検組織では高分化腺癌;6例、中分化腺癌;2例、低分化腺癌;1例で、high grade dysplasiaは4例であった。手術は全例に大腸全摘術が行われ、肛門再建は14例(回腸嚢-肛門吻合;12例、回腸嚢-肛門管吻合;2例)に実施された。肛門吻合のうち2例は内肛門括約筋切除が同時に施行されたが、人工肛門閉鎖後の排便機能は良好であった。切除標本における病理組織診断では、高分化腺癌;8例、中分化腺癌:5例、低分化腺癌;2例、粘液癌および印環細胞癌;1例で、1例はlow grade dysplasiaと診断された。最終病期診断では、Stage I;3例、Stage II;4例、Stage III;3例で、分類不能が5例であった。現時点での平均術後観察期間5.1年で、13例(81.3%)が生存している。【結論】大腸癌合併の潰瘍性大腸炎は、診断時すでに多発し、術前と術後の臨床および病理組織診断の乖離が多く認められた。手術と最終病理診断後までは正確な病態や病期を把握することは難しく、このことを念頭に置いた慎重な治療計画が必要であることが示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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