一般演題(口演)
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下部直腸癌に対する内括約筋切除術における内括約筋切除量が肛門機能に与える影響 演題番号 : O63-2
1:東邦大医療セ大森病院 一般・消化器外科
目的)内括約筋切除術(ISR)の術後の肛門機能障害の危険因子として、術前化学放射線療法(pre-CRT)、性別、腫瘍の肛門縁からの距離などが報告されている。今回、pre-CRTの適応となりにくいcT1-3,N0に対するISRにおける内括約筋切除量の短期肛門機能への影響を明らかにする。対象と方法)2003年-2011年に施行したISRで、ストーマ閉鎖後1年のアンケート調査が可能であったpartial(P群):18例、subtotal(S群):10例、total (T群):5例 の計33例をCAA群:11例と比較検討を行った。Pre-CRT例は除外し、全例腫瘍の肛門側切離は肛門操作先行で行い、極力内括約筋の温存をはかった。結果)CAA vs. ISR群の年齢中央値:60歳(48-79)vs.62歳(22-79)、男女比:8/3vs.19/1427/17例、pStageI/II/III:3/2/6例vs. 13/9/11例で、両群に差はなかった。CAA/P/S/T群の平均排便回数/日は、1.7/3.2/2.7/4.7回で内括約筋の切除量の増加に伴い回数は増加したものの、有意差はなかった。WIS>11の排便障害は、それぞれ1/5/6/3例で有意差(P= 0.0489)を認め、CAA-S群およびT群でそれぞれ有意差を認めた。また、5分以内のurgencyおよび失禁を訴えた患者は、1/11/4/4例で有意差(P=0.0187)を認めた。結論)ISR術後の早期の排便機能障害は、内括約筋の切除量に関連した。
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