演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当院における大腸SM癌治療の現況

演題番号 : O61-1

[筆頭演者]
藤田 秀人:1 
[共同演者]
表 和彦:1、富田 泰斗:1、野口 美樹:1、舟木 洋:1、木南 伸一:1、中野 泰治:1、上田 順彦:1、小坂 健夫:1、川浦 健:2、北方 秀一:2、伊藤 透:2、福山 智基:3、中村 正克:3、有沢 富康:3

1:金沢医科大病 一般・消化器外科、2:金沢医科大病 内視鏡科、3:金沢医科大病 消化器内科

 

【背景】大腸癌治療ガイドラインにおいて大腸SM癌における追加外科切除を考慮する基準(追加切除基準)は垂直断端陽性、あるいは1.SM浸潤距離1000μm 以上 2. 脈管侵襲陽性 3. 低分化/印環細胞/粘液癌 4. 浸潤先進部の簇出Grade2/3 のうち一因子以上を認める場合である。追加切除基準は有効に活用されているが、一方で追加切除が行われなかった症例の予後や転移再発時のSalvage治療効果については明確でなく、追加切除例においても結果的にoversurgeryとなっている症例が多いなどの問題点があげられる。【目的】当院における大腸SM癌に対する治療法の現況を評価し、追加切除基準の妥当性を検証した。また内視鏡切除後の追加腸切除が不要なガイドライン治癒切除例の予後、追加腸切除なく経過観察したガイドライン非治癒切除例の経過と再発後のSalvage治療の状況を検討する。【対象と方法】2007年から2011年までに経験した大腸SM癌治療例65例を対象とした。治療方法は、経肛門手術・TEM含む内視鏡切除、内視鏡切除後の追加腸切除、内視鏡切除を伴わない外科切除の3つに分類した。全症例の追加切除基準項目を評価し、リンパ節転移頻度、予後・再発形式を検討した。【結果】治療方法の内訳は、内視鏡切除21例(ガイドライン治癒切除11例/ガイドライン非治癒切除10例)、追加腸切除23例、外科切除21例であった。全症例中の68%に内視鏡切除が初回治療として行われ、EMR39例(うちESD6例)、経肛門手術5例(うちTEM2例)であった。<リンパ節転移>追加腸切除・外科切除のリンパ節転移頻度は11.4%で、転移程度は全例pN1であった。先行する内視鏡切除の有無では、追加切除13.0%/外科切除9.5%と同等であった。<術後再発と再発後治療>ガイドライン治癒切除と追加腸切除・外科切除に再発は認められなかった。ガイドライン非治癒切除10例中3例に再発を認めた。再発3例のうち、局所再発(術後10ヵ月)およびリンパ節再発(術後6ヵ月)の2例にSalvage手術が実施され、それぞれ術後5年、術後3 年を経過して再々発を認めていない。局所・肺転移再発の1例(術後9カ月)は全身化学療法が実施され、2年目に他病死した。【考察】現行の大腸SM 癌追加切除基準の妥当性が本検討で確認された。しかし、リンパ節転移頻度は10%程度で、ESDによりSM癌を一括切除することが可能となった現在においては、より特異度の高いリンパ節転移リスク因子を見いだす必要がある。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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