演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

中咽頭癌に対する放射線化学療法の検討-多施設による後方視的観察研究-

演題番号 : O60-4

[筆頭演者]
加納 里志:1 
[共同演者]
本間 明宏:1、林 隆一:2、川端 一喜:3、吉野 邦俊:4、岩江 信法:5、長谷川 泰久:6、丹生 健一:7、加藤 孝邦:8、志賀 清人:9、松浦 一登:10、門田 伸也:11、藤井 正人:12

1:北海道大 耳鼻咽喉科頭頸部外科、2:国立がんセ東病 頭頸科、3:癌研究会有明病 頭頸科、4:大阪府立成人病セ 耳鼻咽喉科、5:兵庫県立がんセ 頭頸部外科、6:愛知県がんセ 中央病頭頸部外科、7:神戸大 耳鼻咽喉科頭頸部外科、8:慈恵医科大耳鼻咽喉科、9:東北大耳鼻咽喉科頭頸部外科、10:宮城県立がんセ 耳鼻いんこう科、11:四国がんセ 頭頸科、12:東京医療セ 耳鼻咽喉科

 

背景:進行中咽頭癌に対する標準治療は外科的切除と術後放射線治療であるが、近年、嚥下や発声などの機能温存を目的として、手術から化学療法同時併用放射線治療(concurrent chemoradiotherapy: CCRT)に移行してきている。しかし、手術とCCRTを直接比較した報告は世界的にも少なく、前向きな無作為化比較試験も存在しない。そのため、本研究ではCCRTと手術の治療成績と治療後の嚥下機能の比較、さらにCCRT後の局所再発に対する救済手術について検討した。方法:対象はJapan Clinical Oncology Group (JCOG)に加盟している12施設において2005年4月から2007年3月までに治療をおこなった未治療中咽頭癌523症例。手術とCCRTの比較はMatched-Pair解析を用いた。1)側壁または前壁癌、2)扁平上皮癌、3)臨床病期IIIまたはIV(T4b除外)、4)遠隔転移無し、5)根治を目指した手術またはCCRT、といった条件を満たした症例の中から、手術群とCCRT群の背景因子(年齢、性別、亜部位、T分類、N分類)をマッチさせ、最終的に186症例で解析を行った。また、CCRT後の局所再発に対する救済手術の検討は、根治的にCCRTを行った170症例を対象とした。結果:5年無増悪生存率および5年局所制御率は手術群で51.0%および75.2%、CCRT群で54.4%および80.3%とほぼ同等の結果であった。しかし、T3-T4症例に限定した場合では5年無増悪生存率および5年局所制御率は手術群で37.6%および64.1%、CCRT群で50.2%および73.2%とCCRT群の方が優れた成績であった。さらに治療後の嚥下機能もCCRT群の方が有意に優れていた。また、CCRT後の局所再発は35例に生じ、その内の11例(31%)に救済手術を行った。救済治療を行えなかった背景因子として年齢と頸部再発の合併が考えられた。救済手術例の5年粗生存率は49.1%であった。結語:CCRTは手術と同等以上の治療成績であった。しかし、CCRT後の局所再発に対する救済手術の施行率は低かった。これらのことを念頭に置いて治療法の選択をする必要がある。

キーワード

臓器別:頭頸部

手法別:放射線治療

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