演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

局所制御を目的とした甲状腺未分化癌に対する化学放射線療法の有用性

演題番号 : O60-2

[筆頭演者]
野田 諭:1 
[共同演者]
小野田 尚佳:1、柏木 伸一郎:1、川尻 成美:1、高島 勉:1、石川 哲郎:2、平川 弘聖:1

1:大阪市立大学大学院医学研究科 腫瘍外科、2:市立柏原病院

 

[はじめに]甲状腺未分化癌は発生頻度が低い疾患であるものの、急速に進行し、予後が非常に悪い固形癌の一つである。死因は遠隔転移や全身衰弱によるものがほとんどであるが、上気道閉塞や出血などの局所が原因であることもしばしばである。また、局所制御が不良であれば、経口摂取や呼吸状態に影響を及ぼし、QOLを著しく低下させる。今回我々は甲状腺未分化癌に対して化学放射線療法(CRT)を行い、良好な局所コントロールができた症例を経験したので、文献的考察を踏まえて報告する。[対象と方法]2002年から2012年の間に当院で組織学的に確認した甲状腺未分化癌の6例。男性5例、女性1例で、年齢中央値は69歳。5例が切除不能症例で、1例は低分化型乳頭癌の診断で非治癒切除を施行し、術後病理組織学的に未分化癌と診断された症例であった。診断時に遠隔転移を認めたものは1例で、5例はT4bN1bM0 Stage IVBであった。放射線外照射は45-60Gy(2Gy/回)を照射範囲は個々の症例に合わせて施行し、併用した化学療法はDocetaxel 10mg/m2の毎週投与で行った。[結果]6例のPFS中央値は22週(8-55週)、OSは36週(12-271週)であった。局所に対して得られた最良効果はCR2例、PR3例、SD1例であり、うち3例は死亡までその効果が持続した。全例ともCRTを完遂でき、施行中にGrade3を越える有害事象は認めなった。Docetaxelの投与は平均4.8コース(4-6コース)施行した。CRT後は新病変の出現や局所コントロール不能になるまで同レジメンにて化学療法単独で継続した。全6例とも終末期にいたるまで、経口摂取および内服加療が可能であった。1例は分化癌手術時に喉頭摘出術をすでに施行されており、1例はCRT後の局所増大にて喉頭摘出術、1例は気管切開術を施行したが、3例は気道確保の処置を必要としなかった。死因は5例が癌性悪液質で、1例は局所病巣からの出血であった。[まとめ]今回我々が施行した甲状腺未分化癌に対するCRTのレジメンは、局所制御に関して比較的良好な成績であり、QOLを維持できる有用な治療法の一つであることが示唆された。またCRT後に全身の病勢が進行しても局所への効果が継続する可能性も示唆された。

キーワード

臓器別:頭頸部

手法別:集学的治療

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