演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

BMA投与患者における抜歯後の顎骨壊死発生に関する検討

演題番号 : O6-1

[筆頭演者]
石川 徹:1 

1:国立病院機構 四国がんセンター

 

ビスフォスフォネート(以下BP)製剤およびデノスマブはその副作用として顎骨壊死が発生することが知られている。抜歯は顎骨壊死の発生頻度を高めることが明らかにされている。そのため薬剤投与中の抜歯はできるかぎり避けることが望ましいとされ、薬剤の投与開始までに抜歯を行っておくことが推奨されている。しかしながら、薬剤の投与が優先され、投与前に抜歯を行うための十分な時間的余裕がない症例を経験する場合もある。近年注射用BP製剤投与患者おこる顎骨壊死は薬剤の投与回数が多くなるにつれてその頻度が高くなることが報告されている。このことから薬剤投与を優先した場合でも、薬剤投与開始後に抜歯を行うことで将来的な顎骨壊死の発生のリスクを減らすことが可能ではないかと考えられる。そこで今回注射用BP製剤あるいはデノスマブ投与後に抜歯をおこなった症例とそれらの薬剤の投与開始前に抜歯を行った症例の治癒経過について比較を行い、薬剤投与開始後の抜歯の可否について検討するとともに、薬剤投与に際しての抜歯をいつまでに終了させておくべきか検討を行ったので報告する。対象は2009年4月から2013年5月までの間に四国がんセンターにおいて注射用BP製剤およびデノスマブの投与開始前あるいは開始後に抜歯を行った54名である。性別は男性32名、女性22名であり平均年齢63歳(37〜82歳)であった。投与された薬剤はゾレドロン酸水和物42例、デノスマブ3例、薬剤投与前が9例であった。薬剤投与前の抜歯は9例21本、薬剤投与開始後の抜歯は45例81歯で行われていた。抜歯後の経過に関しては薬剤投与前に抜歯が行われた症例では全ての症例で抜歯部の治癒が認められたが、薬剤投与後に抜歯を行った症例では2例2本(2.5%)で顎骨壊死が発生し、その他2例2本で骨髄炎症状がみられた。顎骨壊死あるいは骨髄炎が発生した症例はすべて薬剤投与回数が7回以上の症例であり、投与回数が3回以下の症例では薬剤投与開始前に抜歯を行った症例と同様に顎骨壊死の発生は認められなかった。以上のことからBP製剤およびデノスマブ投与に際しての抜歯は投与開始後早期であれば顎骨壊死発生のリスクが低いことが明らかとなった。そのため、薬剤の投与を優先し、薬剤投与と並行して歯科的スクリーニングおよび抜歯を行うことは可能であると考えられた。

キーワード

臓器別:口腔

手法別:支持療法

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