演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

KRAS変異解析におけるliquid biopsyの有用性

演題番号 : O59-2

[筆頭演者]
山田 岳史:1 
[共同演者]
松本 智司:1、菅 隼人:1、小泉 岐博:1、進士 誠一:1、谷 杏彌:1、原 敬介:1、原 絵津子:1、松田 明久:1、内田 英二:1

1:日本医科大学 消化器外科

 

【背景】患者末梢血中のcell free DNA(cf DNA)やcirculating tumor cell(CTC)を用いて分子診断を行うliquid biopsyは腫瘍からの生検と異なり、低侵襲で繰り返し行うことが可能である。また遠隔転移からの生検は困難であることが多いが、liquid biopsyであればリスクなく行える。原発巣がKRAS 野生型であれば転移巣も野生型であり、抗EGFR抗体治療の適応と考える。しかし、転移巣のKRAS statesは10%の症例で原発巣と一致しない(Watanabe Dis Colon Rectum 2011)。KRAS野生型症例に対する抗EGFR抗体治療中にKRAS変異クローンが増加するだけでなく、新たなKRAS変異が生じる可能性がある(Misale Nature2012)などの報告がなされた。したがってKRAS statesは原発巣ではなく、転移巣由来の腫瘍細胞から診断すべきであり、また抗EGFR抗体治療開始前だけでなく、治療中にモニタリングする必要がある可能性がある。【目的】末梢血を用いてKRAS変異解析を行い、新たな抗EGFR抗体個別化治療戦略を構築する。【方法】対象は遠隔転移を有する大腸癌患者である。患者末梢血5mlより血清を採取、cfDNAを精製し、定量を行った後、インベーダープラス法にてKRAS遺伝子変異解析(G12A、G12S、G12V、G12C、G12D、G12R、G13D)を行った。【結果】(1)原発巣が変異型だがすでに切除されており、評価可能再発病変を有する10例中8例(80%)の血清から変異型を同定できた。(2) 原発巣が変異型ですでに切除されており、CEAおよびCA19-9が正常であったが再発をきたしている4例中2例で血清から変異型を同定できた。(3)原発巣野生型で再発腫瘍を有し、抗EGFR抗体未治療8症例の血清からは変異型は検出されなかった。(4)抗EGFR抗体治療中の原発巣野生型4例中2例の血清からG13Dを認めた。この2例に対し、FOLFOX+Cetuximabを行ったところ1例はPR、1例はSDであった。【結語】liquid biopsyによるKRAS変異解析は原発巣KRAS変異型の再発マーカーとして、また原発巣KRAS野生型に対する抗EGFR抗体治療における効果予測マーカーとして有用である可能性がある。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:バイオマーカー

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