演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌におけるC4.4A発現とEMTとの関連性について

演題番号 : O58-3

[筆頭演者]
大塚 正久:1 
[共同演者]
山本 浩文:1、植村 守:1、西村 潤一:1、畑 泰司:1、竹政 伊知朗:1、水島 恒和:1、土岐 祐一郎:1、森 正樹:1

1:大阪大学大学院  消化器外科学

 

【目的】C4.4Aはラットの転移性膵腫瘍から同定された、GPIアンカー型の膜蛋白であり、胎盤・皮膚・食道などの正常組織の他、種々の癌でその発現が報告されている。我々は、これまでにGPIアンカー蛋白であるC4.4Aが大腸癌の浸潤先進部の細胞膜に発現することを見出し血行性転移と関連することについて報告してきた。本研究では、C4.4AとEpithelial-Mesenchymal Transition (EMT;上皮間葉移行)との関連性について検討した。【方法】1. EMT誘導因子であるTGF-betaが大腸癌細胞株のC4.4A発現を誘導するかどうかを検討した。2. siRNAによってC4.4AをノックダウンしたHCT116細胞株と、レトロウイルスベクターにてC4.4Aを強制発現したHCT116細胞株を用い、PCRにてEMTマーカーの評価を行った。3. C4.4AのGPIアンカー部位を認識する抗ヒトC4.4Aラビットモノクローナル抗体C4.4A-GPIにて、大腸癌組織の免疫染色を行った。また、同一切片において、EMTマーカーであるE-cadherin、Beta-cateninによる免疫染色も行った。【結果】1. TGF-betaの付加によって、SW480のC4.4A発現は上昇した。2. siRNAによってC4.4AをノックダウンしたHCT116細胞では、細胞形態が紡錘形からやや円形に変化し、接着性の亢進を示す上皮性性質への転換 (MET)がみられた。またE-cadherin発現増強、Vimentinの発現減弱を認めた。逆にC4.4Aを強制発現した細胞株では、E-cadherinの低下、N-cadherinの上昇、Vimentinの上昇を認めた。3. 癌の浸潤先進部におけるC4.4A発現とE-cadherinの減弱、及びBeta-cateninの増強と有意な相関を認めた(P=0.0002、P=0.0058)。【結語】大腸癌の癌先進部において、TGF-beta刺激によるC4.4Aの誘導が、腫瘍細胞のEMT変化に関与している可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:基礎腫瘍学

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