演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸手術における縫合不全予防のための自家表皮細胞シートを用いた組織再生

演題番号 : O58-2

[筆頭演者]
番場 嘉子:1 
[共同演者]
金井 信雄:2、細井 孝洋:2、小林 慎一郎:2、中尾 紗由美:1、産形 麻美子:1、加治 早苗:1、橋本 拓造:1、廣澤 知一郎:1、小川 真平:1、板橋 道朗:1、大和 雅之:2、清水 達也:2、岡野 光夫:2、亀岡 信悟:1

1:東京女子医大 第二外科、2:東京女子医科大学先端生命医科学研究所

 

目的:大腸手術における合併症である縫合不全は、患者のQOLを著しく低下させ、長期の入院を余儀なくさせる。多くの術式の工夫にも関わらず、縫合不全に対する効果的な予防法は確立しておらず、革新的な技術が必要である。温度応答性培養皿を用いた細胞シート工学は非常に高い細胞移植効率を実現でき、角膜や心筋、歯根膜、食道、骨軟骨などの分野で臨床研究がすすんでいる。さらにその他の分野においても臨床応用が期待されている。今回我々は、大腸手術における手術合併症である縫合不全の予防に、表皮細胞シートを吻合部に自家移植することによる効果の検討を行った。方法:実験動物は大動物のミニブタを使用した。下腹部皮膚の皮膚表皮を採取、単離し温度応答性カルチャーインサートにて2週間培養を行い、培養表皮細胞シートを作製した。全身麻酔下にブタを開腹し小腸手縫い層々吻合を行い、その吻合部の腸間膜対側半周に培養表皮細胞シートを自家移植した。細胞シートが機械的刺激により剥がれたり、他の腸管に癒着しないように、移植部位は腹膜腹壁に縫合固定した。2週間後に犠死させ、術後の組織学検討を行なった。結果:吻合部の細胞シートは生着し分化し、細胞シート移植部位はコントロール部位に比較して、約2倍の厚さとなっていた。病理組織所見においては、細胞シート移植部位はコントロール部位に比べて、表皮細胞の分化だけでなく、毛細血管の増生と結合組織の増生が多く認められていた。結語:自家培養上皮細胞シートを吻合部に移植することにより、移植部位において毛細血管の新生や結合組織の増生などの創傷治癒促進が認められ、術後の縫合不全、特に遅発性穿孔を予防する可能性があることが示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:トランスレーショナルリサーチ

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