演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

ICG蛍光法による前立腺癌センチネルリンパ節検索

演題番号 : O56-6

[筆頭演者]
結縁 敬治:1 
[共同演者]
三浦 徹也:1、酒井 伊織:1、清末 晶子:1、山下 真寿男:1

1:神鋼病院 泌尿器科

 

【目的】前立腺癌根治手術におけるリンパ節郭清の範囲については現在日本のガイドラインでは閉鎖と外腸骨領域が標準とされているが、拡大リンパ節郭清により転移陽性リンパ節の検出率が増加すること、転移リンパ節は標準領域から外れた部位に少なからず存在することが報告されており、欧米のガイドラインでは推奨される郭清領域が拡大郭清に変更された。日本ではごく少数の施設が拡大郭清を行っているのみである。前立腺癌においてセンチネルリンパ節を検出できるようになれば拡大郭清と同様の意義をみいだせるかもしれないと考え、ICG(インドシアニングリーン)蛍光法に注目した。生体内に投与されたICGは赤外線をあてると蛍光を発することが知られており、乳癌や悪性黒色腫などでは術中にセンチネルリンパ節を検索する方法として臨床応用されている。ICG蛍光法で前立腺癌における術中センチネルリンパ節検索が可能かどうか検討した。【対象と方法】リンパ節郭清を伴う前立腺全摘術が予定され、文書で同意を得られた症例を対象とした。希釈ICG溶液を前立腺へ局注、専用カメラシステム(浜松ホトニクス製PDE、pde-neo)を用いて骨盤内や切除標本を観察し、センチネルリンパ節の描出率、部位、個数を検討した。【結果】この方法を試みた38例中センチネルリンパ節と判定される蛍光リンパ節が観察できたのは31例(82%)、この31例で描出された蛍光リンパ節数は総数101ヶ、平均3.3ヶ、領域別では閉鎖55ヶ、内腸骨32ヶ、外腸骨14ヶであった。病理学的に転移陽性であったのは3例5ヶのリンパ節で、いずれもICG蛍光法でセンチネルと判定されたリンパ節であった。【結語】ICG蛍光法により術中に前立腺癌のセンチネルリンパ節を描出することができた。センチネルリンパ節の分布は症例によりかなりのバリエーションがあり、内腸骨領域にも多くのセンチネルリンパ節が存在した。リンパ節転移についての病理診断、微少転移に対する切除による根治性の向上という郭清の目的からすれば現在の日本のガイドラインに示されている範囲では不十分と思われた。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:手術療法

前へ戻る