演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

前立腺癌に対する高密度焦点式超音波療法中の前立腺腫大および標的病変変位の定量評価

演題番号 : O56-4

[筆頭演者]
小路 直:1 
[共同演者]
浮村 理:2、中本 将彦:3、金 伯士:1、中野 まゆら:1、佐藤 嘉伸:3、寺地 敏郎:4、Inderbir Gill:2、内田 豊昭:1

1:東海大学医学部付属八王子病院 泌尿器科、2:南カリフォルニア大学 泌尿器科、3:大阪大学大学院医学系研究科 放射線医学教室、4:東海大学医学部外科学系泌尿器科学

 

【背景】高密度焦点式超音波療法 (high–intensity focused ultrasound、HIFU)は、高エネルギー超音波を生体内における焦点領域に収束し、その領域における組織を熱変性とCavitation現象により破壊することで、治療効果を得るものである。【目的】われわれは、限局性前立腺癌に対するHIFUの臨床経験から、HIFU施行中の前立腺腫大および標的病変の変位に着目し、これらを3次元的に定量化した。【方法】対象は、術前に内分泌療法および経尿道的前立腺切除術が施行されなかった限局性前立腺癌44症例。治療は、Sonablate® 500 (Focus Surgery‚ IN‚ USA)を用い、前立腺をanterior zone (1st session)、middle zone (2nd session)、およびposterior zone (3rd session)に分けて、施行した。前立腺腫大および標的病変の変位は、各session前後に保存した経直腸的超音波DICOM画像およびVincent version 2 (Fujifilm‚ Tokyo‚ Japan)により作成した3次元モデルを用いて定量し、術前前立腺体積、Presumed circle area ratio (PCAR)との相関性について、統計学的に検討した。【結果】対象症例の年齢(中央値)は66歳、術前PSA(中央値)は7.84ng/ml、術前Gleason score5:4例 ⁄ 6:17例 ⁄ 7:22例 ⁄ 8:1例、病期T1c:32例 ⁄ T2a:12例、術前前立腺体積(中央値)は29ml、術前PCAR (中央値)は0.79であった。HIFU中の前立腺腫大および変位は、1st sessionにおいて、最も著明で、術前と比較して、前立腺全体で13%、transitional zone (TZ)で18%、peripheral zone (PZ)で9.1%の腫大が認められ、術前前立腺体積と有意な相関が認められた(前立腺全体:r=–0.484‚p=0.001⁄ TZ:r=–0.592‚p<0.001⁄ PZ:r=–0.498‚p=0.001)。一方、1st sessionにおけるTZおよびPZ内の標的病変の変位(中央値)は、それぞれ3.7mmおよび5.5mmであった。また、術前PCARと前立腺腫大の割合(r=–0.607‚p=0.001)および標的病変の変位(r=–0.433‚p=0.01)との間で、有意な相関が認められた。【考察】限局性前立腺癌に対するHIFU施行中、前立腺腫大および標的病変の変位が認められた。HIFUによる正確な前立腺治療のためには、治療領域の術中調整が必要と考えられた。また、前立腺腫大および標的病変の変位は、術前前立腺体積が小さく、PCARが低い症例で、特に著明に認められた。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:画像診断(イメージング)

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