演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

PSA監視療法におけるMRIを用いた病巣の評価と経過観察

演題番号 : O55-3

[筆頭演者]
原 昇:1 
[共同演者]
斎藤 俊弘:2、北村 康男:2、西山 勉:1、小林 和博:2、高橋 公太:1

1:新潟大学 腎泌尿器病態学 、2:新潟県立がんセンター 泌尿器科

 

【背景】低リスク及び一部の中リスク前立腺癌患者にPSA監視療法が治療導入時に選択される機会が増加している。しかしながら、再生検による再評価や経過中の病状把握を目的とした再生検が推奨されるなど、診断時の生検結果やPSAのみに基づく経過観察を疑問視する報告が多い。一方で、再生検に伴う有害事象も無視できず、当関連施設でも生検による観察・評価はプログラムに入っていない。本研究の目的はPSA監視療法における病巣の評価と経過観察におけるMRIの有用性を検討することである。【方法】2006年から2011年に新潟大学病院及び新潟県立がんセンターにてPSA監視療法を選択した症例のうち、診断時と経過中に前立腺MRIを施行した60症例につき後ろ向き検討を行った。診断時の患者年齢は52-83(中央値73)歳、観察期間は6-66カ月(中央値12カ月)であった。PSA値は3.3-27.3(中央値9.1)ng/ml、臨床病期はcT1c 52例(88%)、cT2a 7例(11%)、cT2b 1例であった。【結果】観察期間中に疾患特異死、他因死ともなかった。29症例(48%)で8-60(中央値12)ヶ月後に前立腺全摘除術(3症例)、放射線療法(20症例)、単独内分泌療法(6症例)が行われた。観察終了時のPSA値は2.9-36.8(中央値12.2)ng/mlであり、診断時より高かった(p<0.05)。MRIは低リスク群40例中10例(25%)、中リスク群11症例中9症例(82%)、高リスク群2例中2例(100%)で診断時に病変を描出した(p<0.01)。診断時MRI 描出(+) 群とMRI描出(-) 群で診断時時血清PSA値に差はなかった。癌陽性生検コア数はMRI 描出(+)群がMRI描出(-) 群より多かった(平均24% vs. 11%, p<0.01)。経過中6-48ヶ月後に再検したMRIにて、MRI 描出(+) 群21例中3例(14%)で画像上の進行を認め、MRI描出(-) 群39例中3例(8%)で病巣の描出を認めた。前立腺全摘が施行されかつMRI 描出(+)であった2例の経過中MRI所見は全摘標本所見とほぼ一致していた。【結論】経過中MRIの機種やパフォーマンスの変更があった症例を含んではいるが、MRIはPSA監視療法を選択する際の指標、経過観察の手段になりうると考えられた。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:診断

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