演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

キュアサルコーマボード共同治療連携:病院間"水平"連携による肉腫、GISTの集学的治療

演題番号 : O54-6

[筆頭演者]
高橋 克仁:1 
[共同演者]
山村 倫子:1、冨田 裕彦:1、上浦 祥司:1、矢嶋 淳:2、寺岡 慧:2、波多江 亮:3、大野 烈士:4、宗 淳一:5、豊岡 伸一:5、小池 幸宏:6、烏野 隆博:7、楢原 啓之:8、小山 隆文:9、 大山 優:9

1:大阪府立成人病セ、2:国際医療福祉大熱海病、3:新山手病、4:淵野辺総合病、5:岡山大病、6:関東中央病、7:八尾市立病、8:兵庫県立西宮病、9:亀田総合病

 

【背景と目的】肉腫、GISTなどの稀少がんでは、5大がんの均てん化ではなく拠点施設またはグループへの集約化が必要である。特に全身に発生し転移する肉腫は臓器別の診療体制や専門医養成制度になじまない。胸部腹部内臓、後腹膜原発肉腫は米国では成人肉腫の過半数を占めるが、我が国では原発から再発転移までの一貫した診療体制が存在しないため多くのがん難民を生んできた。【方法】その解決に、1)胸部腹部内臓が専門の内科医と外科医に症例経験を積んだエキスパートを養成すること、2)標準治療に乏しい肉腫治療の負荷を軽減するため、各施設が最も得意とする技術を1つ提供する「水平連携」のシステムを導入すること、3)移動する患者の負荷を軽減するため地元病院と連携し、治療病院では初診直接入院とすること、4)ヘッドクオーターを大阪府立成人病セ内科に置き全ての紹介患者を集約し研究所での腫瘍解析を参考にコンサルテーションに特化した外来診療を行うこと、を試行した。【結果】平成23年1月〜24年12月までの2年間に北海道から沖縄までの全国322施設から紹介を受けた377症例を初診した。初診患者の地域分布は関西圏122例と関東圏116例が最も多く、紹介元の診療科は婦人科38%、外科35% 、腫瘍内科15%、整形外科5%、泌尿器科4%であった。再診も含めた腫瘍解析総数は2年間で678例でその内訳は、平滑筋肉腫374例、GIST67例、癌肉腫/間質肉腫62例、脂肪肉腫51例、MFH19例、滑膜肉腫18例、血管肉腫12例、悪性中皮腫(肉腫型を含む)9例、横紋筋肉腫8例、軟骨肉腫6例、Ewing/MPNST4例他であった。この間の外科治療グループ(腹部後腹膜外科;国際医療福祉大熱海病、新山手病、淵野辺総合病、呼吸器外科;岡山大病)での手術数は再診を含め180例以上、局所制御グループ(関東中央病)の肝臓RFA治療数は40例であった。一方薬物治療グループ(亀田総合病、八尾市立病、兵庫県立西宮病)他の血管新生阻害の新薬ヴォトリエント(パゾパニブ)投薬数は平成24年末の保険収載から6ヶ月で77例に達した。有害事象や効果予測につき有用な情報が得られつつある。【総括】稀少がんである肉腫やGISTの集約的診療を可能にする国際的にも類を見ない共同治療連携のプラットフォームを構築した。2年間の試行により専門的で質の高い集学的治療が可能になり、患者の生存期間の延長のみならず医療経済や病院経営および新薬開発にも有用であることがわかった。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:集学的治療

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