演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

悪性腫瘍切除後患肢再建に用いられた自家処理腫瘍骨感染の実態

演題番号 : O54-5

[筆頭演者]
山本 憲男:1 
[共同演者]
白井 寿治:1、西田 英司:1、林 克洋:1、丹沢 義一:1、木村 浩明:1、武内 章彦:1、五十嵐 健太郎:1、下崎 真吾:1、加藤 貴士:1、青木 裕:1、土屋 弘行:1

1:金沢大学 整形外科

 

(目的)本邦では,悪性骨腫瘍切除後の再建に自家処理骨を用いた再建が行われているが,術後感染率およびその成績について検討した報告は少ない.今回我々は,液体窒素処理自家骨を用いた再建術後に局所感染を生じた症例の治療成績について検討を行った.(対象と方法)遅発感染の症例についても検討するため,手術日から最終成績調査日まで2年以上経過していた82例について検討を行った.男性49例,女性33例で,手術時の平均年齢は39.1才であった.手術部位は,大腿骨43例,脛骨18例,骨盤12例,上腕骨6例,その他3例であった.(結果)感染を生じたのは11例で,全体の感染率は13.4%であった.また骨盤部を除いた四肢再建例の感染率は10%であった.部位別には骨盤33%,脛骨22%で感染率が高くなっていた.起因菌はさまざまで,CNS 2/11例,MSSA 2/11例,MRSA 2/11例,Enterococcus 2/11例,Candida 1/11例,不明2/11例であったが,Enterococcusの2症例はすべて骨盤の症例であった.感染に対する治療は,抗生剤の投与のみで感染が沈静化した症例は1例のみで,10例では,抗生剤の投与および手術的加療が行われていた.感染の治療中に腫瘍死した3例を除いた8例では,全例で最終的に感染の沈静化あるいは治癒が得られていた.感染の沈静化あるいは治癒が得られるまでに要した手術回数は,平均3.4回であった.四肢の切断や骨盤半裁術を必要とした症例はなく,患肢温存率は100%であった.最終的な患肢機能は,ISOLSの機能評価で全体が平均72.9%(骨盤症例単独では53%)であった.(考察)液体窒素処理自家骨の術後感染率は,これまで文献的に報告されてきた腫瘍用人工関節や同種骨とほぼ同等であった.これは,術後の感染は再建材料ではなく,手術部位が感染のリスクとして大きく影響しているためと考えられた.感染を生じた場合には,平均3.4回の手術を要していたが,これも腫瘍用人工関節を用いて再建した場合と,ほぼ同等の成績であった.大別すると, 1~2回の手術でコントロールがつく群と,多数回の手術を要する群とがあり,早期から徹底した処置を行うことが,感染を遷延化させないために重要であることが示唆された.

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:手術療法

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