演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

骨肉腫に対するカフェイン併用化学療法と縮小手術の中長期成績

演題番号 : O54-4

[筆頭演者]
武内 章彦:1 
[共同演者]
山本 憲男:1、白井 寿治:1、西田 英司:1、林 克洋:1、丹沢 義一:1、木村 浩明:1、五十嵐 健太郎:1、稲谷 弘幸:1、下崎 真吾:1、加藤 貴士:1、青木 裕:1、土屋 弘行:1

1:金沢大学大学院整形外科(金沢大院整形)

 

【目的】カフェインはDNA修復阻害作用を有し,カフェイン併用化学療法は,悪性骨軟部腫瘍において良好な有効率をみとめつつある.我々は,骨肉腫において,カフェイン併用化学療法が著効した症例で切除縁を縮小することで良好な患肢機能の温存が期待される症例に対して,通常は切除が必要となる筋肉,腱,靭帯,神経血管,骨端部を温存する意図的辺縁切除を施行している.近年,画像技術の進歩,ナビゲーション手術の導入等により,骨肉腫に対して切除縁を縮小する試みの報告も散見されるが,長期的な臨床成績はまだ検討されていない.本研究の目的は,切除縁を縮小した骨肉腫の中長期的な成績を報告することを目的とする.【対象と方法】意図的辺縁切除術を施行した骨肉腫56例(男性36例,女性18例)を対象とし,平均年齢は,15歳(5-72歳)で,平均経過観察期間は,101カ月(11-250ヶ月)であった.腫瘍の発生部位は,上腕骨:5例,大腿骨24例,脛骨:17例,腓骨:7例,肋骨:1例,骨盤:2例で,EnnekingのSurgical stageは,IIBが44例で,IIIBが12例であった.化学療法の効果判定は単純X線,血管造影,MRI,タリウムスキャン,MIBIスキャンを用いて,2つ以上の検査で効果がみとめられた場合に著効もしくは有効と判断し意図辺縁切除術を施行した.【結果】組織学的評価(Rosen & Huvos)は,Grade IIが1例,IIIが19例,IVが36例で,画像評価と相関して組織学的にも有効性が確認された.ISOLSの患肢機能は(下肢48例),Excellent 39例,Good 6例,Fair 3例であった.局所再発は3例のみにみとめ(5.4%),無再発生存率は5年96.0%,10年92.3%であった.Stage IIBの無転移生存率は5年75.6%,10年67.7%であったが,累積生存率は,Stage IIBが5年10年ともに94.6%で,Stage IIIが,5年61.4%,10年20.5%であった.【結語】カフェイン併用化学療法が著効した骨肉腫に対する意図的辺縁切除術は,生存率や無局所再発率を低下させることなく,中長期的に良好な臨床経過が得られた.さらなる症例の積み重ねが必要であるが,画像評価を厳密に行い,切除縁を縮小する意義があると考えた.

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:手術療法

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