演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

粘液型脂肪肉腫の長期臨床成績と温熱放射線療法の有用性の検討

演題番号 : O54-1

[筆頭演者]
横山 信彦:1 
[共同演者]
松延 知哉:1、鍋島 央:1、畑野 美穂子:1、藤原 悠子:1、飯田 圭一郎:1、松本 嘉寛:1、福士 純一:1、播广谷 勝三:1、岩本 幸英:1

1:九州大学大学院 整形外科学教室

 

【背景】粘液型脂肪肉腫(MRLS)は他の軟部肉腫に比して放射線感受性が高い。当科では腫瘍が主要血管・神経の近傍に存在し広範切除縁の確保が困難な場合に、温熱放射線療法(HRT)を術前に施行している。【目的】当科で治療を行ったMRLSの5年以上の臨床成績をまとめ、HRTの有用性について検討する。【対象と方法】1991年9月から2007年8月までに当院にて手術を行ったMRLSで、術後5年以上の経過観察が可能であった33例を対象とした。手術時平均年齢は46.4歳(16~75歳)、平均観察期間は89.8ヶ月(16~181ヶ月)であった。他院での切除後の追加広範切除が4例で行われ、残り29例は当科での初回手術であった。初回手術29例中、HRTが行われたのは19例であった。HRTは2週間で行い、計30Gyの放射線照射と腫瘍内温度42℃以上を目標に1回30~40分で週2回加温を原則とした。【結果】最終観察時、CDF21例、NED2例、AWD3例、DOD4例、DOC3例であった。5年全生存率は全体で81.8%、HRT群では80.0%、未施行群では84.6%であった(p=0.89)。局所再発は33例中3例(11.1%)に認められ、再発までの平均期間は43ヶ月(12~84ヶ月)であった。HRT群20例中1例(5.0%)、未施行群では13例中2例(15.4%)に局所再発を認めた(p=0.34)。HRT前後での腫瘍体積の平均縮小率は17.8%(9.2-32.7%)であった。HRTによる急性期合併症に重篤なものはなく、広範切除後の創トラブルに関してもHRTの有無による有意差は認められなかった(p=0.92)。【考察と結論】MRLSの5年全生存率は70~83%程度、局所再発率は11.1%~13.7%程度と報告されており、本研究結果は遜色のない良好な成績であった。HRT施行群では全例で腫瘍が神経血管に接していたものの、良好な局所コントロールが得られていた。HRTは放射線治療効果の増強が期待され、放射線照射線量を軽減することが可能であり、合併症も重篤なものは認められなかった。MRLSにおいて広範切除縁が確保できない場合、HRTは安全で有用な補助療法であると考えられた。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:放射線治療

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