演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

治療前血清C-reactive proteinの軟部肉腫における臨床学的意義

演題番号 : O53-6

[筆頭演者]
中村 知樹:1 
[共同演者]
松峯 昭彦:1、松原 孝夫:1、淺沼 邦洋:1、須藤 啓広:1

1:三重大学大学院 運動器外科学

 

はじめに治療前血清C-reactive Protein (CRP)の上昇が予後不良因子であるとの報告が様々な癌で報告されている.今回,当科で治療を行った軟部肉腫に対して,治療前血清CRPの臨床的意義について検討したので報告する.方法2003年から2010年に外科的切除を行い,1年以上の経過観察が可能であった103例を対象とした.追加切除を目的として当院に紹介された症例や,初診時転移症例は除外した.平均年齢は57歳であり,男性58例,女性45例で,平均腫瘍径は9.5cmであった.病理診断は脂肪肉腫36例,MFH/Un-differentiated pleomorphic sarcoma15例,平滑筋肉腫9例,粘液線維肉腫9例,悪性末梢神経鞘腫7例,隆起性皮膚線維肉腫7例,その他19例であった.これらの症例に対し,(a)治療前CRPと臨床的背景との関連性,(b)腫瘍特異的生存率(DSS)と無病生存率(EFS)に影響する因子を検討した.治療後の平均経過観察期間は57ヶ月であった.血清CRPは全例治療前に測定した(基準値0.3mg/dl以下).結果21例(20%)で術前CRP値の上昇を認めた.CRPの上昇を認めた腫瘍は有意に大きく(p=0.02),高悪性(p=0.01)であった.腫瘍学転帰はCDF71例,NED9例,AWD2例,DOD17例,DOOD3例であった.5年DSSは81.5%であった.術前CRP値陽性(p=0.04),高悪性腫瘍症例(p=0.001)が予後不良であった.CRP陽性症例における5年DSSは65.9%であり,CRP陰性症例の85.9%と比較して不良であった.また5年EFSは70.8%であり,術前CRP値陽性(p=0.0003),高悪性腫瘍症例(p<0.0001)が予後不良であった.結語CRPは腫瘍の大きさや悪性度に関連があり,DSS,EFSともに予後不良因子であった.CRPは容易に測定可能であり,軟部肉腫に対しても予後不良因子である可能性があり,術前から注目すべき指標の一つである.

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:バイオマーカー

前へ戻る