演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道がん骨転移の臨床像について

演題番号 : O53-3

[筆頭演者]
高木 辰哉:1 
[共同演者]
鶴丸 昌彦:2、笹井 啓資:3、矢澤 康男:4

1:順天堂大学 整形外科、2:順天堂大学 食道・胃外科、3:順天堂大学 放射線科、4:埼玉医大国際医療センター 骨軟部組織腫瘍科

 

【背景】食道がんは比較的進行の早いがんであり、局所浸潤やリンパ節転移が多い。血行性転移は肝臓や肺に比較的多くみられるが、骨転移は末期像としてとらえられ、まとまった報告もほとんど無い。近年がん診療全体の進歩から、骨転移の診断が増加し、その対応に整形外科が関与することも多くなっている。食道がん骨転移は稀ながら、今後も増多すると考えられ、その臨床像を把握することは重要となってくる。今回われわれは食道がん骨転移の臨床上の特徴と予後を検討した。【対象と方法】2009年1月から2010年12月まで当院で対応した478例の食道がんについて経過を追ったところ、2012年12月までに16例、3.3%の症例で骨転移を認めた。全例男性で平均年齢は66.4(46-99)歳で、組織診断は扁平上皮がんが13例(81%)、腺扁平上皮がんは3例(19%)であった。骨転移の診断には造影CT、PET-CT、骨シンチ、MRIを用いた。骨への直接浸潤をきたした症例は除いた。Retrospectiveに臨床像と予後について検討し、生存率はKaplan-Meier法を用いて算出した。【結果】治療は10例に放射線治療、6例に化学療法、4例に骨修飾薬の投与が行われていた。外科的治療の症例は無く、病的骨折、脊髄損傷も今回の検討ではなかった。食道がんの診断から骨転移の診断まで平均11.6か月であった。単発性骨転移が11例、多発が5例であり、脊椎が最も多く7例に、ついで腸骨が6例に認められた。1年累積生存率は36%であり、治療や、骨転移発症までの期間、骨転移数、骨転移部位、内臓転移の有無による差はなかった。骨転移診断時にPerformance Statusが0-2の6例は1年累積生存率が86%であり、3-4の10例の0%より有意に予後がよかった。【結語】食道がん発生から最大3年の経過で骨転移発生率は3.3%であった。骨修飾薬の投与は少なかったが、放射線治療を行った10例以外の骨関連事象は見られなかった。1年累積生存率は36%であり、Performance Statusが0-2の症例では予後がよい傾向が認められた。今回のわれわれの検討では症例数は少なく、経過観察期間も短いため、食道がん骨転移の特徴は未だ不明瞭である。今後、より長期間の経過観察と症例蓄積を行っていく予定である。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:疫学・予防

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