演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

婦人科癌患者における外来化学療法中の地域医療連携と終末期医療の状況

演題番号 : O52-6

[筆頭演者]
神下 優:1 
[共同演者]
相原 聡美:1、林 ちづる:2、鐘ヶ江 寿美子:3、野口 光代:1、橋口 真理子:1、石丸 浩美:2、村尾 千幸:2、中尾 佳史:1、横山 正俊:1

1:佐賀大学医学部附属病院 産科婦人科、2:佐賀大学医学部付属病院 地域医療連携室、3:ひらまつレディースクリニック

 

【背景】外来化学療法の普及により、治療中も通常の日常生活を送ることが可能となり、特に婦人科癌では、家庭で家事・育児などを請け負う年齢の患者と家族の生活の質を保つ反面、患者自身や家族による自己管理は入院以上に必要とされ、高齢、独居者では、安全な施行が困難となりうる。また緩和ケアへの移行の時期も、入院に比べ時間的制約の多い外来で迎えることが増え、心理的・社会的サポートが得にくくなっている可能性がある。外来化学療法中においてもメディカルソーシャルワーカー(MSW)に早期より介入してもらうことで、生活の質の低下を起こすことなく治療や終末期医療への移行が円滑に行えるよう試みている。【方法】2011年3月から2013年3月まで、当院産科婦人科において外来化学療法を行った患者について後方視的に検討した【結果】外来化学療法を施行した126人のうち、65人(52%)は術前・後補助療法(うち3名は早期に再燃・再発)として、61人(48%)は進行・再発に対して化学療法がおこなわれていた。MSWに介入を依頼した50人中、32人(64%)は外来にて介入しており、家族が拒否された1人以外は全員緩和ケア病院への受診(40人)、訪問看護・診療の提供(33人)を受けた。婦人科癌における臓器特異的な症状故に訪問診療や連携病院から支援を断られた例はなかった。死亡が追跡可能だった29人中、大学病院での死亡は11人(39%)(うち訪問診療・看護を受けた症例が5人)、緩和ケア病院での死亡が13人(45%)、在宅での看取りは1人であった。緩和ケア病院に紹介してから死亡までの期間は、介入を外来で行った患者で平均132日、入院で行った患者で平均50日と外来で介入した場合で長い傾向にあった。大学病院で死亡した例で、訪問診療・看護を受けていた患者の入院期間が平均8日であるのに対し、それ以外の患者では平均45日であり、終末期を自宅で長く過ごせた可能性があると思われた。【考察】外来化学療法患者中の約半数が進行・再発に対しての化学療法中であり、早期のMSWの介入により、外来においても患者のQOLを保ちながら治療を行いつつ、終末期医療への移行が行えた可能性がある。限られた外来時間内で、特に病状の進行の中での、終末期医療の説明は、医師、患者ともに困難な側面が多く、より細かなサポート体制が望まれる。最終的な評価は患者や家族の満足度であり、個々の患者背景において今後も柔軟に対応していく必要がある。

キーワード

臓器別:その他

手法別:地域連携

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