演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大学病院における熊本版"私のカルテ"∼3年間の運用の実績∼

演題番号 : O51-4

[筆頭演者]
漆野 よう子:1 
[共同演者]
里山 弘子:1、泉谷 洋望:1、樋田 直美:1、和田 孝浩:2、指宿 睦子:3、田中 基彦:4、別府 透:5、馬場 秀夫:5、森 毅:6、中村 和美:7、宇宿 功市郎:8、稗田 君子:8、野坂 生郷:9、片渕 秀隆:1,8,10

1:熊本大医学部附属病 熊本県「私のカルテ」がん診療セ、2:熊本大医学部附属病 泌尿器科、3:熊本大医学部附属病 乳腺内分泌外科、4:熊本大医学部附属病 消化器内科、5:熊本大医学部附属病 消化器外科、6:熊本大医学部附属病 呼吸器外科、7:熊本大医学部附属病 薬剤部、8:熊本大医学部附属病 地域医療連携セ、9:熊本大医学部附属病 がんセ、10:熊本大医学部附属病 産科・婦人科

 

(目的)熊本県では、共通がん診療連携クリティカルパス"私のカルテ"を作成し、がん診療の地域連携に取り組んでいる。今回、都道府県がん拠点病院である熊本大学医学部附属病院における"私のカルテ"運用状況を解析し、今後の院内での課題を見いだすこととした。(方法)当院で導入された"私のカルテ"について、癌腫別導入件数、病態別について解析し、さらにアンケート調査を行い患者満足度について評価した。(結果)平成22年4月から平成25年3月までの約3年間に"私のカルテ"を導入した件数は、376件(平成22年度:61件、平成23年度:178件、平成24年度:137件)であった。平成22年度から算定可能となったがん治療連携計画策定料は、102件で算定されていた。癌腫別では、前立腺癌143件、乳癌101件、肺癌52件、婦人科癌30件、胃癌29件、大腸癌17件、肝臓癌4件で使用した。病期としては、ステージΙ-ΙΙ期の患者が占める割合は、前立腺癌で80%、乳癌95%、肺癌81%、婦人科癌74%、胃癌100%、大腸癌65%、肝臓癌75%とどの癌腫も早期の患者への導入が多かった。導入時のPSはほとんどが0∼1であった。さらに当院では、乳癌パスにおいて、入院前からの導入システムが構築されており、計画的な"私のカルテ"の導入が行われていた。"私のカルテ"利用者への外来受診時のアンケート調査では、"私のカルテ"に67%が満足しており、特に患者を中心として関わるスタッフが情報を共有してくれることへの安堵感を上げる声が多かった。"私のカルテ"利用者の年代別内訳を見ると、60代~80代が全体の82%であった。さらに"私のカルテ"を使用してかかりつけ医に通院することで、どの医療圏においても通院時間、待ち時間が大幅に短縮していた。(考察)"私のカルテ"は5大癌を含め、各癌腫において医療者と患者をつなぐツールとして十分に活用され、がん拠点病院からの地域連携が有効に機能していることがわかった。またカルテ使用に7割近くの患者が満足しており、患者の時間とコストの節約にもつながっていた。今後さらにより連携をスムーズに進められるようにコーディネーターを含めた担当医療従事者の育成、"私のカルテ"を介した地域連携の質の向上を進める必要がある。

キーワード

臓器別:その他

手法別:地域連携

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