演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

リンパ節転移を伴う腎盂癌に対する術前化学療法の有用性の検討

演題番号 : O50-5

[筆頭演者]
北村 康男:1 
[共同演者]
斎藤 俊弘:1、山崎 裕幸:1、小林 和博:1、川崎 隆:2

1:県立がんセンター新潟病院 泌尿器科、2:県立がんセンター新潟病院 病理

 

【目的】浸潤性腎盂癌とりわけリンパ節転移陽性例では治療成績は極めて悪い。当院では従来pN(+)の症例に対しては腎尿管全摘術後に化学療法・局所の放射線治療にて治療をしてきたのが、その成績は芳しいものではない。10年ほど前から画像診断にてリンパ節転移陽性症例を対象として、術前化学療法を併用することにより生存率の改善を認めたので、この成績を検討することを目的とした。 【対象】当院で腎盂癌として治療した319例中画像診断にてリンパ節転移陽性と診断された84例を対象にした。84例中根治手術が出来なかった17例では、遠隔転移の認めない8例中7例には化学療法がおこなわれたが、効果なく遠隔転移の出現や病状の進行にて全摘術は断念された。腎尿管全摘術は67例に施行された。術前化療群は22例、術前化療(-)群は45例で、この2群間での比較検討を行った。術前化療のレジメンはMTX VP16 CDDPが4例、MTX VBL ADR CDDPが8例、GEM CDDPが10例であった。術前化療群ではN1,N2,N3が6例、12例、4例、術前化療(-)群では14,23,8例であった。手術後の化療は術前化療群で11例、術前化療(-)群では27例に、術後の局所への照射がそれぞれ13例と17例になされた。リンパ節郭清は全例におこなわれ、患側の腎門部から下腸間膜動脈の高さまでを原則とした。【結果】手術終了時の評価として、術前化療群では22例中16例が、術前化療(-)群では45例中29例が治癒と判断した。術後の所属リンパ節の評価では術前化学療法群ではpN0:9例、pN1:2例、pN2:9例、pN3:2例であった。術前化療(-)群では6例、5例、23例、11例であった。術後の遠隔転移は術前化療群では16例中6例が、術前化療(-)群29例では23例に再発を認めた。1年、3年非再発率では79%、51%と35%、12%で有意差を認めた。転移部位では術前化療群では局所は2例、肺転移が4例であった。術前化療(-)群では局所11例、肺8例、肝6例、骨5例であった。1年、3年、5年生存率は、術前化療群で67.3%、41.5%、20.7%で、術前化療(-)群では44.4%、18.8%、9.7%で有意差(p<0.05)を認めた。【考案】当院症例を対象とした後ろ向き研究であるが、術前化学療法後の手術により局所の制御が可能となり、治療成績の改善が得られたと思われるが、追跡期間もいまだ短く、遠隔転移の発生を抑えるところまでは至らず、今後前向きの比較試験が必要と思われた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:化学療法

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