演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

転移性腎細胞癌患者における分子標的薬逐次治療時代の一次治療としてのIFN-α療法

演題番号 : O50-3

[筆頭演者]
浦上 慎司:1 
[共同演者]
湯浅 健:1、山本 真也:1、増田 均:1、吉川 慎一:1、砂倉 瑞明:1、田中 一:1、助川 玄:1、上原 翔:1、高橋 俊二:2、藤井 靖久:3、福井 巌:1、米瀬 淳二:1

1:がん研有明病院 泌尿器科 、2:がん研有明病院 総合腫瘍科、3:東京医科歯科大学 泌尿器科

 

目的)転移性腎細胞癌患者における分子標的薬の導入により、その無増悪生存期間はサイトカイン療法に比較して有意に延長した。さらに最近では分子標的薬を交替する逐次治療のより効果的な投与方法が議論されている。その一方で、逐次治療におけるサイトカイン療法の位置づけは不明である。今回我々は、分子標的薬逐次治療時代においてIFN-αを一次治療とした治療成績について検討した。対象)2008-2012年に当科で分子標的薬を導入した73例のうち、一次治療としてIFNを選択した32例(IFN逐次群)を対象とした。一次治療として分子標的薬を選択した41例(分子標的薬単独群)および1991-2007年に当科でIFNを導入した分子標的薬未施行65例(IFN単独群)を対照として用いた。Time To Strategy Failure(TTSF)、転移の診断からのOverall Survival Time(OS)はKaplan-Meier法を用いて推定、群間比較にlog-rank法を使用した。結果)IFN逐次群の観察期間の中央値は4年3ヶ月であった。MSKCCリスクの分布は、良好群5例、中間群20例、不良群7例であり、分子標的薬単独群およびIFN単独群におけるリスク分布と有意差はなかった。IFN逐次群のOSは中央値6年7ヶ月であり、分子標的薬単独群およびIFN単独群の2年10ヶ月、2年2ヶ月に比べて有意に長期であった(共にp<0.005)。一方IFN逐次群において一次治療のIFNと二次治療の分子標的薬のTTSFには明らかな相関関係はなかった。またIFN逐次群と分子標的薬単独群における初回分子標的薬のTTSFの中央値は各々1年4ヶ月と10ヶ月で両者に有意差はなかった。分子標的薬導入全症例における多変量解析で、IFN未施行、肉腫様癌成分、多臓器転移、腎摘未施行、MSKCCリスク分類がOSの独立した予後不良因子となった。さらに、IFN逐次群のみにおける多変量解析では、MSKCCリスク分類がOSの独立した予後不良因子となった。結論)分子標的薬逐次治療時代における転移性腎細胞癌患者の一次治療としてのIFN-α療法は、その後の分子標的薬のTTSFを短縮せず、MSKCCリスク分類の予後良好群など適切な症例選択によりOSを延長させる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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