演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

mTOR阻害薬による口内炎の臨床病態と口腔管理に関する報告

演題番号 : O5-6

[筆頭演者]
村井 知佳:1 
[共同演者]
百合草 健圭志:1、山下 亮:2、松嵜 理登:2、新坂 秀男:2、町田 望:3、福冨 晃:3、小野澤 祐輔:3、庭川 要:2、安井 博史:3、大田 洋二郎:1

1:静岡県立静岡がんセ 歯科口腔外科、2:静岡県立静岡がんセ 泌尿器科、3:静岡県立静岡がんセ 消化器内科

 

【背景】mTOR阻害薬による口内炎は、40~70%の高い発症率があり、治療継続には口内炎の患者によるセルフケアが重要となる。しかし、その口内炎の臨床病態は、従来の殺細胞性抗がん剤によるそれと異なるため、対処方法も同じではない。【目的】根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、または膵神経内分泌腫瘍患者に対しmTOR阻害薬(エベロリムス)投与を行い確認された口内炎の発生とその対処法について実態調査した。【対象】2010年6月~2013年3月までにエベロリムスを投与された32例を対象に後ろ向き調査を行った。【結果】投与開始時の年齢は37~84歳(中央値62歳)。対象疾患は、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌患者数は28例、膵神経内分泌腫瘍患者数は4例であった。投与期間はそれぞれ9~270日(平均83日)、75~413日(平均218日)であった。エベロリムスによる口内炎は46.9%(15例)に認められた。口内炎のため休薬となったのは9.4%(3例)、減量となったのは15.5%(5例)、中止となったのは9.4%(3例)であった。口内炎に対する担当診療科の対応は、エベロリムス休薬・減量、アズレン含嗽・軟膏の投与、副腎皮質ステロイド軟膏・貼付薬の投与などであった。膵神経内分泌腫瘍患者3例は、口内炎発症前から担当診療科の受診日に併せ、歯科による口内炎管理教育を実施したところ、口内炎発症しても中断なく長期投与が可能であった。【結論】mTOR阻害薬による口内炎は、副腎皮質ステロイド軟膏と局所麻酔薬入り軟膏の塗布を基本とした対処で管理することができる。出現する口内炎の程度は軽度ではあるが、中止した症例は、十分な口内炎の情報や対策が説明されず、有害事象に対する不安を抱き中止になっていた。今後、mTOR阻害剤投与開始時には、看護師や歯科から粘膜炎の臨床病態、管理方法について十分な説明を行い、継続的に経過観察を行う必要があると考える。

キーワード

臓器別:口腔

手法別:支持療法

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