演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道扁平上皮癌に対する同時化学療法併用陽子線治療の初期成績

演題番号 : O48-5

[筆頭演者]
石川 仁:1 
[共同演者]
橋本 孝之:1、大野 豊然貴:1、水本 斉志:1、大西 かよ子:1、粟飯原 輝人:1、森脇 俊和:1、久倉 勝治:1、寺島 秀夫:1、奥村 敏之:1、櫻井 英幸:1

1:筑波大学 医学医療系

 

【背景】食道癌に対する化学放射線治療後の心臓や肺の晩期有害事象が懸念されている。陽子線はX線に比較して線量集中性が良好であるため、これらの有害事象を軽減することが期待される。そこで、食道癌症例に対する化学療法を同時併用した陽子線治療の初期成績を報告する。【方法】対象は2008年11月から2012年6月までにCDDPと5-FUによる同時化学療法併用陽子線治療を施行した食道扁平上皮癌28例とした。対象の内訳は男性26例,女性2例で年齢の中央値は69歳(52-79歳)であった。原発巣の主占拠部位はCe/Ut/Mt/Ltがそれぞれ2/9/13/4例であり、腫瘍長径の中央値は53mm(10-120mm)であった。TNM分類(UICC)ではT1/T2/T3/T4が11/7/7/3例、N0/N1/N2/N3が15/9/3/1例で、臨床病期はStageI/II/IIIが12/8/8例であった。治療開始前に内視鏡下で腫瘍の口側と肛門側に金属マーカーの挿入を行い照射範囲設定の参考とした。照射範囲はN0症例では腫瘍の上下3-4cmの範囲の食道とその範囲内の縦隔リンパ節としたが、N(+)症例では主病巣の局在に応じた領域リンパ節も含めた。陽子線治療は1回2GyEの通常分割照射で行い、総線量は原則として60Gy/30Frとした。また、50Gy時の内視鏡による評価で腫瘍の残存が明らかであった12例では6-10Gyの追加照射を施行した。化学療法はCDDP (70mg/m2 day1,29)と5-FU (700mg/m2、day1-4,29-32)を基本とした。【成績】全例で陽子線治療を予定通り完遂できた.化学療法は1例を除いた27例(96%)で照射期間中に2コース投与が可能であった.照射終了1-2か月後の初期効果判定では、CRが21例(75%)、PRが6例(21%)、SDは1例(4%)であった。観察期間の中央値は21か月(7-54か月)であった。これまでに、10例に再発が認められ、再発部位の内訳は局所のみが5例、局所+リンパ節が1例、リンパ節のみが1例、遠隔転移が3例であった。最終観察時点で20例が生存、8例は死亡(7例が原病死、1例は他癌死)し、2年原病生存率は73%であった。急性期有害事象はGrade 3以上の食道炎と血液毒性をそれぞれ7例(25%)で認めた。一方、晩期有害事象は食道狭窄と食道潰瘍をそれぞれ1例に認めたものの、Grade 2以上の心肺毒性は認めなかった。【結論】症例数は少ないものの、食道癌に対する同時化学療法を併用した陽子線治療は安全に施行でき、通常のX線治療と比較して心・肺毒性の少ない有望な化学放射線療法であることが示唆された。

キーワード

臓器別:食道

手法別:放射線治療

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