演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胸腺癌に対する手術例12例の治療経験

演題番号 : O45-4

[筆頭演者]
田中 明彦:1 
[共同演者]
櫻庭 幹:1、秋江 研志:2、本村 文宏:2、泉 寛志:2、楠堂 晋一:2、山本 宏司:3、小倉 滋明:3、白枝 友子:1

1:市立札幌病院 呼吸器外科、2:市立札幌病院 呼吸器内科、3:北海道医療センター 呼吸器内科

 

(はじめに)胸腺癌は,非常に予後不良な疾患のひとつであるが,その一因として1施設における症例数が少なく,治療の標準化が難しいことがあげられる.今回,当科において経験した胸腺癌12例についてInduction化学療法,放射線治療,切除不能と判定された浸潤部位,癌性心嚢液の影響等の今まであまり検討されなかった事柄を中心に考察を加えた.(対象と結果)症例は,1990年より2013年までに手術を施行した胸腺癌12症例で,男性3名,女性9名.年令は,34歳から68歳(平均51.5歳)であった.病理診断は,扁平上皮癌9例,未分化癌2例,小細胞癌1例であった.手術所見による正岡分類では,2期1例,3期8例,4a期3例となった.心嚢液を採取した6例中,4例において癌性心嚢液を認めた.完全切除できなかった症例が4例あり,いずれもA-P window部への浸潤例であった.他の8例に対して腫瘍全切除術が行なわれた.合併切除は,心膜7例,上大静脈1例,無名静脈2例,肺上葉3例,左肺全摘1例であった.術後経過は,全例とも良好で重篤な合併症は認められなかった.Induction化学療法が4例に行われたが,化学放射療法の1例にのみ著効を認めた.9例において術後縦隔照射が施行された.試験開胸に終わった1例において術後照射のみで18年間無再発生存を認めた. 予後は,4例が胸腺癌にて死亡.4例が他病死し,4例が生存中.(まとめ)Induction 療法では,放射線を併用した1例にて著効を示した.腫瘍の中心が左側にある場合には,容易にA-P window部へ浸潤し摘出困難の原因となった.癌性心嚢液が証明されても,そのすべてが心膜播種に進展するものでなかった.

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:手術療法

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