演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

非小細胞肺癌術後化学療法(TS-1 vs CDDP+TS-1:WJOG4107)のバイオマーカー解析結果

演題番号 : O45-3

[筆頭演者]
高橋 利明:1,2 
[共同演者]
光冨 徹哉:2、西尾 和人:2、岩本 康男:2、山中 竹春:2、吉岡 弘鎮:2、多田 弘人:2、吉村 雅裕:2、吉野 一郎:2、菅原 俊一:2、工藤 新三:2、太田 三徳:2、中川 和彦:2、中西 洋一:2

1:静岡県立静岡がんセンター 、2:西日本がん研究機構

 

<背景>西日本がん研究機構では病理病期II-IIIa期の非小細胞肺癌(NSCLC)完全切除例に対して、S-1単剤 (S群:80mg/m2/day, 連続2週間, q3w, 1年間投与) とS-1/CDDP併用療法 (CS群:CDDP; 60 mg/m2 day1, S-1;80 mg/m2/day, 連続2週間, q3w, 4cycles) の無作為化第2相臨床試験を行い、主要評価項目の2年無病再発 (DFS)率はS群で66%(95%信頼区間; 55-74%)、CS群で58%(95%信頼区間; 48-67%)であった。今回、化学療法の効果予測因子を同定する為に予め計画したもう1つの主要評価項目であるバイオマーカー解析の先行結果を報告する。<方法>197 (200人中) の登録患者より得られたホルマリン固定パラフィン包埋標本の薄切標本からcDNAを抽出した。QGE 解析 (MassArray, Sequenom, CA)を用いて、薬剤感受性に関わる31遺伝子(CDDP関連;ERCC1, XRCC1, BRCA1, GSTpi ,HMG1, BPなど、FU関連;TS, DHFR, DPD, UMPS, UPP1など)の発現を測定し、2年DFS率との関連を検討した。各々の遺伝子発現レベルは平均値によって二分した(high/low)。<結果>性別、組織、年齢、ステージで調整後、S群においてUMPS (uridine monophosphate synthase) のhigh群はlow群と比較して有意に2年DFS率が高かった(UMPS high/S群 69% (95%CI;54-80) vs UMPS low/S群 64% (95%CI;49-76), p=0.0348)。UMPSは5-FUのフッ化UMPへの変換を触媒し、UMPS高発現は5-FUの効果増強に関係している。しかしながら、CS群ではUMPS発現と2年DFS率に同様の関係は認められず(UMPS high/CS群53%<95%CI;37-66> vs UMPS low/CS群 61%<95%CI;46-73>)、CDDP感受性関連遺伝子として報告されているERCC1 とGSTpiについては効果予測因子として同定されなかった(P=0.7908, 0.6406)。<結語>UMPS発現の程度により、術後S-1療法でベネフィットが得られる患者群が明確化できる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:バイオマーカー

前へ戻る