演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

肺がん治癒切除患者での血漿アミノ酸濃度に基づくがん検査AICSの術前後変化の検討

演題番号 : O45-2

[筆頭演者]
東山 聖彦:1 
[共同演者]
穴山 貴嗣:2、岡見 次郎:1、徳永 俊照:1、狩野 孝:1、藤原 綾子:1、前田 純:3、山本 浩史:4、新原 温子:4、高須 万里子:4、渡橋 和政:2、今村 文生:1

1:大阪府立成人病センター 呼吸器グループ、2:高知大学医学部第2外科、3:大手前病院外科、4:味の素株式会社

 

【背景と目的】血漿アミノ酸濃度は、通常、生体の恒常性維持機能により、一定となるように制御されるが、がんを含む各種疾患により変化することが報告されている。我々はがん患者と健常者の血漿アミノ酸濃度を比較解析し、1)がん発症リスクの評価に関わる「アミノインデックス技術」に基づく判別式を初めて報告し、2)胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん、乳がん、子宮がん・卵巣がんの6種のがんの早期スクリーニングに有用である検査として、アミノインデックスがんリスクスクリーニング(AICS)を開発した(人間ドック, 26,454-466, 2011; 人間ドック,26,749-755, 2012)。今回、外科治癒切除肺がん患者を対象に手術前後で血漿アミノ酸濃度を測定、指標式から算定されるAICS (肺)値(BMC Cancer, 13,77,2013)の術前後における変化について検討した。【対象と方法】対象は、上記2施設で肺がんにて治癒切除され、現在、無再発患者51例で、病期はI期39例、II期6例、III期4例、IV期1例、不明1例、組織型はSq7例、Ad40例、その他4例であった。手術前1週以内、術後は8ヶ月~5年経過後に採血し、血漿分離後、LC/MS法を用いてアミノ酸濃度を測定しAICS(肺)値を算出した。なおAICS(肺)値は、0.0~4.9がランクA、5.0~7.9がランクB、8.0~10.0がランクCに分けられ、高値ほど肺がんハイリスクと診断される。【結果】対象例中、術前値がランクCとなった症例は、51例中18例(35%)であった。これらの症例に関して、術後値は、18例中15例(83%)で低下を示し、統計的に有意な低下であった(p<0.01)。また手術後のAICSランクに関しては、18例中4例(22%)がランクBに、6例(33%)がランクAに低下した。一方、術前がランクAの症例20例中、15例(75%)が術後もランクA、4例(20%)が術後ランクB、1例(5%)が術後ランクCであった。【まとめ】肺がん外科切除症例の術前後AICS(肺)値の比較により術前ランクC症例では治癒切除による低下を認めたことから、術前の血漿中アミノ酸濃度は肺がん発生の結果に基づくものである可能性が示唆された。今後は、更なるフォローアップを行い、再発症例との関連性に関して検討を行っていく予定である。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:バイオマーカー

前へ戻る