演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

切除径10 mm以下の小型肺腺癌115例の臨床像、画像所見および病理所見に関する検討

演題番号 : O45-1

[筆頭演者]
狩野 芙美:1 
[共同演者]
村上 修司:1、近藤 哲郎:1、齋藤 春洋:1、尾下 文浩:1、中山 治彦:1、横瀬 智之:2、山田 耕三:1

1:神奈川県立がんセンター 呼吸器科、2:神奈川県立がんセンター 病理診断科

 

背景:近年胸部CTを用いた肺癌検診が普及し、それに伴い微小肺癌も発見されており、高分解能CT (TS-CT:thin-section CT) 画像による質的診断が重要視されている。以前より我々は、TS-CT画像の肺野と縦隔画像での腫瘍最大径のTumor shadow Disappearance Rate (TDR) による定量的CT画像評価法を用いた小型肺癌の臨床像、画像所見および病理所見の対比検討を行ってきた。今回肺野微小肺癌の質的診断の再評価を目的に、切除径10 mm以下の肺腺癌計115例において検討を行った。対象と方法:当院呼吸器外科において1997年1月から2013年2月の約16年間に手術が行われ、固定後の切除標本の最大腫瘍径が10 mm以下の肺腺癌計115例を対象とした。TS-CT画像の肺野と縦隔画像における腫瘍最大径の消失率が50%以上の病変を含気型、50%未満の病変を充実型と定義した。さらに含気型は、TS-CT画像の肺野画像で病変全体がすりガラス濃度を呈するpure GGO (ground glass opacity) と、濃い充実性部分とすりガラスが混在するmixed GGOに分類した。対象症例の臨床像、画像所見および病理所見の対比検討を行った。病理学的形態は野口分類に基づいた。結果:対象症例の平均年齢は63.3歳、女性68名/男性47名と半数以上が女性であり、Never smokerが全体の58.3%を占めていた。病変の最大径は5 mm-10 mm (中央値8.7 mm) 、画像形態では含気型が85例、充実型が30例であった。含気型のうちpure GGOは61例、mixed GGOは24例であった。画像所見と病理学的分化度との対比においては、低分化癌8例は全てが充実型であり、中分化癌16例中14例 (87.5%) と大半が充実型であった。一方、高分化癌においては、91例中83例 (91.2%) と大半が含気型であった。野口分類との対比においては、含気型はA/B/C:33/37/15例、充実型ではA/B/C/D/E/F:1/3/12/7/1/6例であった。予後との対比においては、再発をきたした症例は全てが充実型であり、含気型では再発は1例も認めなかった。充実型30例のうち6例で再発し、うち4例が死亡した。再発症例6例の病理学的形態は、4例が野口type C、1例が野口type D、1例が野口type Fであった。考察:径10 mm以下の小型肺腺癌は早期癌が多く含まれているが、TS-CT画像で充実型を示す病変は悪性度の高い一群である可能性があり、TS-CT画像による質的診断が重要である。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:画像診断(イメージング)

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